オリゴデンドロサイトの発生における移動と軸索との相互作用の解析
Project/Area Number |
10156228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
小野 勝彦 島根医科大学, 医学部, 助教授 (30152523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 茂文 島根医科大学, 医学部, 助手 (50294369)
津森 登志子 島根医科大学, 医学部, 助手 (30217377)
安井 幸彦 島根医科大学, 医学部, 教授 (30174501)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 細胞接着分子 / ニワトリ胚 / 細胞移動 / 単クローン抗体 / 組織片培養 / N-カドヘリン / β1インテグリン |
Research Abstract |
オリゴデンドロサイトは、発生の過程で脳や脊髄の限局した部位で分化し機能する場所に向かって移動する。その移動の様式については、ニワトリ胚の神経組織に単クローン抗体04を用いて免疫染色することにより示すことができる。軸索抗原に対する抗体と04とを用いて二重染色を行うと、移動中のオリゴデンドロサイト(の前駆細胞)は、しばしば軸索に沿って平行に配列していた。したがって、その移動に対して軸索が何らかのガイドの働きをしていることが形態学的に示唆された。そこで、オリゴデンドロサイトの移動における細胞表面分子を介した軸索との相互作用を調べることを目的として実験をおこなった。ふ卵6日目のニワトリ胚の後脳や脊髄の細胞を2-3日培養して04陽性(04+)細胞に発現している細胞表面分子を免疫組織化学的に調べた。その結果、90%以上の04+細胞にNCAMが発現しており、N-カドヘリンは80%程度の、β1インテグリンは70%程度の04+細胞にみられた。次に、ふ卵6日目のニワトリ胚脊髄の組織片をラミニン/フィブロネクチンをコートした上で培養すると3日後には突起の伸長とともに、多くの04+細胞が組織片から遊走して出てくる。この培養系に細胞接着分子に対する抗体を用いて、細胞移動や突起伸長に対する影響を調べた。その結果、β1インテグリンに対する抗体を加えた場合には、突起伸長や細胞の遊走がさまざまな程度で阻害されたが、NCAMやN-カドヘリンに対する抗体を加えた場合には、変化はわずかしか認められなかった。以上の結果より、オリゴデンドロサイトの移動にはβ1インテグリンが関与している可能性が示された。今後は、生体内(ニワトリ胚)への抗体注入による細胞移動への作用を調べる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)