小脳のパターン形成・機能回路発達における形態形成関連遺伝子群の役割
Project/Area Number |
10156236
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
有賀 純 理化学研究所, 分子神経生物学研究室, 研究員 (10232076)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 小脳 / 神経発生 / 行動異常 / 先天奇型 / 遺伝子ターゲティング / 転写因子 |
Research Abstract |
(1)マウスZiclの神経発生における役割。 Ziclは小脳において最もmRNA含量が高く、Ziclに変異を持つマウスでは小脳の低形成、小葉パターンの異常が観察される。今年度はこのマウスの行動学的解析、小脳以外の神経系の異常の検討を行った。 C57BL系統に5回戻し交配した生後15週の変異Ziclヘテロマウスを用いて、自発性運動、歩行試験、高架式従事迷路、懸垂試験、牽引試験、回転棒試験、強制水泳試験、プレパルス阻害試験などの運動機能に関する試験を行った。その結果、懸垂試験にて最も顕著な成績低下が認められ、強制水泳の延長、自発運動性の低下、静止回転棒試験の成績低下が認められた。また、、生後15週へテロマウス、生後0日、ホモ及びヘテロマウス、胎児齢15日目のホモマウスについて、形態定量的解析を含む形態学的な解析を行った。その結果、生後15週齢においても、すでに3週齢で観察したのと同様なホモマウス、ヘテロマウスにおける小脳の低形成が認められた。更に、生後のホモマウスでは橋核、下オリーブ核などの後脳背側の神経組織由来の神経細胞数、脊髄の背側の感覚性の介在神経細胞数に有意な減少が認められことを見いだした。これらの部位は、筋緊張度の制御に関わる、脊髄からの知覚の伝搬経路、小脳の入出力、小脳そのものを含んでおり、行動学的異常と対応していた。 (2)Zic2の神経系先天奇形への関与。 最近、ヒトZIC2の変異が全前脳症という先天奇形を引き起こすことが、報告された(Brown etal.,1998)。我々の作製したZic2ノックアウトマウスも関連した症状を示しており、この疾患のモデルマウスとなる可能性がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)