Project/Area Number |
10157211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
笹井 理生 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 教授 (30178628)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 蛋白質フォールディング / スピングラス / エネルギーランドスケープ |
Research Abstract |
蛋白質にとって可能な配列数は莫大で、生物の進化史的な時間の範囲内に広大な配列空間をくまなく探して最適化することは不可能であるように思われる。どのような仕方によって、広大な配列空間から現存の蛋白質が選ばれてきたのであろうか?この問題を考えるために、1)スピングラス模型、2)ランダムエネルギー模型、3)経験的ポテンシャルを用いた模型、4)格子模型を用いた次の4つの理論的アプローチを試みた。機能を持つためには活性部位の構造が適切な空間配置を保たなければならない。そこで、活性部位の構造が適切である、という条件を用いて配列を選択するシミュレーションを行うと、活性部位から離れた場所にも2次構造が発達し、フォールド能力を持つ配列が現れるという結果が得られた。機能の若干の向上が2次構造の発現に大きく寄与する例が報告された。また、機能を持つ全体構造は非常に多数存在し、その一つがゆらぎによって偶然選ばれること、選ばれた全体構造を最安定化するように配列は進化せず、機能を保持できる範囲の多数の配列の間を中立的にゆらぐこと、この2つの理由により、全配列空間の網羅的探索なしでも、実際的な時間内でフォールド能力を持つ配列が選択されうることが示された。さらに、配列空間の構造とフォールディングファネルとの相関を分析することにより、蛋白質における進化的側面と物理化学的側面の関係を明らかにしていけるのではないかと、将来の研究の可能性が予想される。
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