Project/Area Number |
10162205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
奥村 克純 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (30177183)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | FISH / Replicon / DNA fiber / Bromodeoxyuridine / Histone acetylation / DNA replication |
Research Abstract |
本研究では、真核性染色体のもつ特徴であるマルチレプリコンの複製開始制御機構を明らかにするための新しい解析技術を、蛍光in situ hybridization(FISH)法を駆使して確立することを目指し、以下のように展開した。DNAファイバー上でのBrdU検出とFISHを併用することにより、数kbの解像度をもつ複製の進行過程を数百kbの範囲で個々の細胞で視覚的に追跡できるファイバーFISHによるレプリコン解析法の開発を行った。本年度は、基本的方法ではファイバーの検出時にDNAの一部の脱落が起こり、安定したシグナル検出ができない点を踏まえ、まず、本法の技術的基盤を見直した。ファイバー検出時のDNAの変性方法が原因であると考え、その条件を種々検討した結果、アルカリ条件下で変性させることによって、これまでの方法ではドットのつながりとして検出されたBrdUの取り込みを、分断の少ないライン状シグナルとして検出することに成功した。また、この変性条件下で検出したDNAのFISHシグナルもライン状に検出できた。BrdUとFISHの両者の同時検出にも成功したが、BrdUの検出感度の若干の低下が認められ、この点については、さらなる検討を要する。また、生細胞核内複製fociのクロモソームテリトリー内での配置を解析するため、蛍光標識ヌクレオチドを動物細胞に直接取り込ませる方法を導入して複製fociを生細胞のまま三次元イメージングし、これを固定して、FISHを行い、用いている固定法が複製fociレベルでは問題ないことを明らかにした。また、ゲノムクローンを用いるRNA-FISHによって核内RNA一次転写産物を検出し、非同調的複製をするDiGeorge Syndrome(DGS)責任領域のクローンがbiallelicに発現していることを明らかにした。また、セントロメアへテロクロマチン領域の低アセチル化状態の維持機構として、別の場所で脱アセチル化されたヒストンが、セントロメア領域に輸送されるという機構の存在を示した。
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