液胞プロセシング酵素による高等植物の細胞内分解の制御機構
Project/Area Number |
10163242
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
西村 いくこ 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (00241232)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 液胞プロセシング酵素 / タンパク質蓄積型液胞 / 種子タンパク質 / システインプロテイナーゼ / 酵母 / 分解型液胞 / 活性発現機構 / トリプシンインヒビター |
Research Abstract |
様々な液胞の機能分子の活性発現を支配している液胞プロセシング酵素(VPE,Vacuolar processing enzyme)には,貯蔵器官タイプと栄養器官タイプが存在し,それぞれの遺伝子は器官特異的また時期特異的に発現する.各液胞内プロセシング系について下記の結果を得た. 登熟期の種子細胞にはタンパク質蓄積型液胞が存在するが,この液胞へのタンパク質の輸送機構を明らかにし,この細胞内輸送に関与する小胞をPAC(Precursor-Accumulating)小胞と命名した.PAC小胞に含まれている100kDaのタンパク質(PV100)の液胞内プロセシングの様式を詳細に解析した結果,貯蔵器官タイプVPEがPV100中の6箇所のAsn-Gln結合を切断し,生体防御因子であるTrypsin inhibitorやCytotoxic peptideそしてVicilin様貯蔵タンパク質といった複数の機能分子を生成していることが分かった.PV100分子はtrypsin inhibitor活性を持たないことから,VPEによるプロセスがTrypsin inhibitorの活性発現に必須であることも確認された. VPE分子自体も不活性な前駆体として合成されるが,自己触媒的にC末端側のプロペプチドの除去とそれに続くN末端側のプロペプチドの除去が酵素の活性化に必須であることを酵母の発現系を用いて解明した. 栄養器官型のVPE遺伝子は老化組織や傷害を受けた組織で強く発現する.このVPEの細胞内局在性と機能について解析した.シロイヌナズナのγVPEの特異抗体を用いた免疫電顕より,傷害葉の液胞にシグナルを認めた.また,酵母細胞で発現させたγVPEが活性を示した.以上の結果より,栄養器官型VPEが活性を持った分子として液胞で機能していることが明らかになった.
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)