視床下部神経活動による海馬ニューロネットワークの制御機構
Project/Area Number |
10164211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
関野 祐子 群馬大学, 医学部, 助手 (70138866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白尾 智明 群馬大学, 医学部, 教授 (20171043)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 海馬 / 視床下部 / 記憶 / 情動 / ゲート機構 |
Research Abstract |
海馬内シグナルフローの一般的概念は、歯状回-CA3-CA1という経路であり、CA2領域の関与は、考慮されていなかった。しかし、我々は、ラット海馬スライスでmossyfibersを刺激した後に興奮が伝わる様子を膜電位感受性色素を用いて光学的に観察し、CA3-CA2-CAl経路が存在することを確認し、発表した(Sekino et al,J.Neur ophysi ology 78:1662-1668,1997)。CA3-CA2-CA1経路が賦活化すると、シグナルは海馬内を広範囲に伝播する事になるので、様々な情報をassociateするのに都合がいいと考えられる。生体内には、上記の2つのゲートを制御し、海馬内の情報の流れをコントロールする仕組みがあると思われる。視床下部・上乳頭体核は、歯状回顆粒細胞層とCA2領域に選択的に線維を送っている。視床下部・上乳頭体核に順行性トレーサーを注入すると、海馬のそれぞれの領域に非常に密に神経末端が見出される。この部位に、微小ガラス管を用いて、ムシモールを注入した。海馬脳波の平坦化が観察された。また、嗅内皮質刺激のよる歯状回興奮は抑えられた。 上乳頭体核の活動には、海馬への、また海馬内でシグナルフローのゲートを開ける役目があるようだ。CA3-CA2-CAl経路による海馬内シグナル伝播経路の切り替え、上乳頭体核による海馬内シグナルのゲート機構を、情動と記憶をつなぐ記憶回路と考え、今後さらに検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)