Project/Area Number |
10164239
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
尾仲 達史 自治医科大学, 医学部, 助教授 (90177254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
劉 秀 自治医科大学, 医学部, 助手 (00301458)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 条件恐怖 / ストレス / ノルアドレナリン / 分界条床核 / バゾプレシン / オキシトシン |
Research Abstract |
様々な情動ストレス刺激は、下垂体後葉からのバゾプレシン分泌を増強し、オキシトシン分泌を抑圧する。例えば、ラットはかつて痛みを経験した場所に戻されると、すくみ行動を示す。この条件恐怖刺激の時、オキシトシン分泌は増強し、バゾプレシン分泌は減弱する。動物を新奇な環境に入れても、オキシトシン分泌は増強しバゾプレシン分泌は抑圧する。一方、様々なストレス刺激はノルアドレナリン神経を活性化する。我々はこれまで、延髄A1ノルアドレナリン神経が痛み刺激に対するオキシトシン分泌反応を伝達すること、条件恐怖刺激に対する神経内分泌反応にノルアドレナリン神経が必須であることを明らかにしてきた。本年度は、まず、条件恐怖反応を伝達するノルアドレナリン受容体のサブタイプの同定を試みた。このため、各サブタイプに選択的なアドレナリン受容体アンタゴニストを脳室内に投与し、恐怖刺激に対する神経内分泌反応が阻害されるか検討した。その結果、alpha l受容体がオキシトシンとバゾプレシン分泌の恐怖反応を伝達すること、beta l受容体はバゾプレシン分泌抑圧反応に選択的に関わることが示された。次に条件恐怖反応を伝達するノルアドレナリン神経の投射部位の候補として、分界条床核について検討した。分界条床核は恐怖刺激に対する神経内分泌反応を中継する部位と考えられており、ノルアドレナリン神経の強い投射を受けるからである。分界条床核のノルアドレナリン代謝の測定を行ったところ、条件恐怖刺激を加えると分界条床核に投射するノルアドレナリン神経が活性化することが明らかになった。次に、ノルアドレナリン神経の破壊実験により、分界条床核に投射するノルアドレナリン神経は条件恐怖反応の習得に必須であることを見出した。また、NMDA受容体アンタゴニストを用い、条件恐怖反応の習得と想起・表出にNMDA受容体が必須であることを明らかにした。
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