ダイナミックな記憶神経回路モデルと運動計画,制御機構との相互作用
Project/Area Number |
10164242
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
深井 朋樹 東海大学, 工学部, 助教授 (40218871)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 時系列情報処理 / 大脳基底核 / 40Hz振動発火 / 減衰型シナプス / 同期神経発火 / テンポラル・コーディング / 計算論的神経科学 |
Research Abstract |
運動時系列の生成や学習に関係する大脳基底核の神経回路網と、運動の順序情報を一時的に貯蔵する大脳皮質の仮想的な短期記憶回路との共同作業により、時系列情報処理を行うモデルを発表した。ここで論じた脳による時系列情報処理の問題に関しては、近年の大脳基底核や前頭葉運動皮質の機能に対する関心の高まりに伴っていくつかの計算論的モデルが提案されているが、現状ではモデル選択のために直接的な実験的証拠をあげることは困難である。そこで今回提案したモデルが、大脳基底核の既知の解剖学的・生理学的知見に照らしてどの程度合致または矛盾しているかを徹底的に調査検討した。その結果、1)次に予定される運動要素をコードするモデルニューロンは、前部線条体に存在し前補足運動野や帯状運動野から投射を受けている神経細胞であると解釈出来そうなこと、2)運動要素の実行に関係して発火するモデルニューロンは、後部線条体に位置し補足運動野からの投射を受けている神経細胞に同定することが出来そうなこと、3)麻酔下の実験では線条体に繊維連絡をもつ皮質神経細胞に40Hzの振動とシータリズムの両方が実際に見られることなどがわかった。これらの事実を踏まえ、現在より詳細な情報を含めた論文を投稿中である。 また時間的情報コーディングにおいて、近年話題になっている減衰型シナプスが果たす機能的役割を調べる目的で、このシナプスにより相互に結合した興奮性細胞群と、それらと双方向に結合した抑制性介在細胞のつくるネットワークを提案し、そこで起こる同期発火現象について調べた。このネットワークは皮質の局所神経回路を模倣しているものと考えられる。その結果、このネットワークでは間欠的な同期発火が刺激依存に起こり、同期の時間間隔を利用してノイズに対して頑丈な情報コーディングを実現できる可能性を示せた。この結果は現在論文投稿中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)