動物リンキングを基礎とした認知記憶生成の理論的研究
Project/Area Number |
10164243
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
山口 陽子 東京電機大学, 理工学部・情報科学科, 教授 (00158122)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 海馬 / 近時記憶 / シータリズム / 位相コード / エピソード記憶 |
Research Abstract |
ラット空間探索時に海馬場所ユニットの活動をシータリズムに対する相対位相で調べると、ラットの当該フィールド内での移動に伴って発火の位相が徐々に位相進みの方にシフトすることが、O′Keefeら(1993)により示され、位相歳差 phaseprecessionと呼ばれている。さらにSkaggsら(1996)は、場所ユニット集団の活動を同時測定することにより、このような位相シフトが集団として一定の関係を持って起きることを示した。つまり、場所ユニット集団の活動はシータリズムの各周期の中である位相差をもつパルスの時系列を形成している。例えば先に通った場所のユニットAと次に通った場所のユニットBの活動をシータリズムの1周期の中で見ると、AとBの位相差が一定、つまりパルスはAとBという一定の順番で現れる。そして2つのユニットが活性化している間ずっと、シータリズム周期毎に同じ順番でパルス活動が繰り返される。このことから、ラットが経験として得る時系列情報が、シータリズムの中に圧縮的に繰り返され、それがエピソードとしての記憶の海馬内への固定に寄与する可能性を持つと考えられる。ここでは、Skaggsらの実験データを手掛りに、海馬内で生成されるこのようなシータリズム依存的活動の発生とそのエピソード記憶生成への寄与について仮説を提出し、計算機実験によりその妥当性を調べた。 その結果、1回の経験としてのエピソードが海馬内の回路の結合として固定化されることを確認することができた。本モデルでは入力が不連続的な出来事としての逐次的な系列の場合は回路の結合に影響を与えない。エピソードとして記憶されるためには、互いに活性化が重なる期間をもちながら順次交替していくような入力パターンである必要がある。このことは海馬内には、様々な入力情報のうち、行動の時間発展のコンテキストレベルの情報が選択的に記憶されることを意味する。短期記憶から近時記憶への移行においては、おもにコンテキスト情報が位相コードを通して海馬に固定されることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)