Project/Area Number |
10165202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 和生 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20093536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 喜平 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (40117619)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 活性酸素 / チミングリコール / nth遺伝子 / nei遺伝子 / supF遺伝子 / オスミウム酸 / 塩基置換変異 / 分裂酵母 |
Research Abstract |
チミングリコール等の活性酸素性のピリミジン損傷は、大腸菌の場合、Endonuclease III/VIIIの2つの酵素系によって修復されている。チミングリコールの変異原性を見るために、EndonucleaseIII/VIIIをコードするnthneiの遺伝子欠損大腸菌を用い、3つのシステムで突然変異の生成を調べた。1)Miller等の開発した、CC101〜CC106をnth nci株に導入し変異を調べたところ、CC102ではLac^+の復帰変異が有為に現れたが、その他のCC株では変異頻度に野生株との差は見られなかった。CC102株ではG:C→A:Tトランジション変異が観察される。次に、大腸菌supF遺伝子を用いて、nth nei二重変異株での自然突然変異を調べたところ、観察された塩基置換変異の47%はG:C→A:Tトランジション変異で、G:C→T:A及びG:C→+C:Gトランスバージョン変異がそれぞれ30%と23%であった。G:C→T:A及びG:C→C:Gトランスバージョン変異は、野生株でもほぼ等しい頻度で観察される。従って、supFを用いた実験でも、nth nei二重変異株ではG:C→A:Tトランジション変異が増加していた。最後に、supF-plasmidをチミングリコールを誘発することが知られているオスミウム酸処理し、その後nth nei変異株に導入して、そこでの変異を調べた。オスミウム酸処理したプラスミドには、確かにEndonucleaseIII-sensitive site(即ち、チミングリコール)が出来ていたが、突然変異頻度は、オスミウム酸処理しない場合の2倍以内とあまり誘発されなかった。オスミウム酸処理で得られたsupF変異体を調べると、塩基置換型変異の内訳は、G:C→A:T変異(35%)G:C→T:A変異(24%)及びG:C→C:G変異(41%)となった。以上より、1)チミングリコールには変異原性はあまりない;2)EndonucleaseIII/VIIIで修復されるG又はCの損傷があり、G:C→A:Tトランジション変異の原因となっていることの2点が明かとなった。分裂酵母の、nth欠損株を作成した。この変異株は、過酸化水素に感受性を示した。しかし、粗抽出液を調べたところ、10%程度の活性が変異株からも観察されたので、分裂酵母にもEndonucleaseVIII型の酵素又はその活性ホモローグが存在する可能性が示唆された。今後は、酵母でのチミングリコールの修復についても明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)