ヒトXPA蛋白質のRPA,及び損傷DNAとの複合体の立体構造解析
Project/Area Number |
10165216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
池上 貴久 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (20283939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白川 昌宏 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (00202119)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 色素性乾皮症 / XPA / 核磁気共鳴 / NMR / RPA / 損傷DNA / 遺伝子修復 / ヌクレオチド除去修復 |
Research Abstract |
1、 DNA、RPA70と相互作用する部位の決定 核磁気共鳴の化学シフト摂動実験法により、ヒト遺伝子修復系蛋白質XPAの中央ドメインが、RPAの単鎖DNA結合ドメイン(RPA70_<181-422>)、あるいは、cisplatinによる損傷24-mer二本鎖DNAと結合する部位を同定した。その結果、亜鉛含有サブドメインはRPA70_<181-422>と相互作用し、C末側サブドメインのくぼみはDNAと相互作用することが分かった。従来より、転写因子などのzinc-fingerと核酸が相互作用する例が多く見い出されているが、XPAの亜鉛含有サブドメインは、蛋白質と相互作用する数少ない例の一つである。亜鉛含有サブドメインが負に帯電していることからも、DNAと静電的に反発しあうと推測できる。一方、DNAと相互作用するC末側サブドメインのくぼみは、ほぼDNAの直径と同じ大きさをもち、表面が正に帯電していることから、当結果と矛盾しないといえる。 2、 運動性の解析 アミド^<15>N核の磁化の緩和時間の測定と解析から、XPA中央ドメインの分子全体および分子内部の運動性を解析した。その結果、分子全体の溶液内での回転拡散には異方性が存在することが分かった(回転拡散テンソルの主値の比率が1.38)。構造決定された分子座標の慣性テンソルの異方性は回転拡散テンソルの異方性とよく一致した。その異方性も考慮した内部運動の解析からC末側サブドメインのくぼみ領域が非常に柔軟であることが分かった。このくぼみの柔軟性は、XPA蛋白質が構造の異なるさまざまなDNA損傷に適応して結合し、それらを認識するために必要であると考察される。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)