Project/Area Number |
10166207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 綾子 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (90272484)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | マラリア原虫 / ハマダラ蚊 / 昆虫生体防御 |
Research Abstract |
「マラリア媒介蚊の非媒介化」の実現に向けて、ハマダラ蚊の生体防御からの原虫の回避機構を明らかにすることを目的として昆虫の原虫に対する生体防御機構を解析した。今年度は、 (1) 肝培養細胞へのマウスマラリア原虫スポロゾイト侵入系を確立した。原虫の侵入は培養3時間でも検出可能であった。原虫表面抗原に対する抗体で感染肝細胞数は抗体未処理に比べ1%〜5%へと顕著に減少した。原虫侵入細胞数は一回の実験でのばらつきはほとんどないが、用いる原虫感染蚊の感染後の日数や感染率に依存し、およそ百から数千の間で変動した。問題点(感染率の安定性、原虫を蚊体内より取り出す時間の制限などによる多サンプルを同時に扱う困難さ)はあるものの、今後この侵入系を用いて、目標とする昆虫由来物質の抗原虫活性を検索していくことが可能となった。 (2) 新たな視点からの昆虫の異物認識機構の解明に向けて、変態期に見られる体液細胞の機能に着目した。変態期には不要な幼虫細胞が蛹化後の体液細胞により排除されるが、その分子機構は解明されていない。異物の認識・排除に関与する候補因子として、新たな蛹体液細胞膜表面抗原120蛋白を同定した。蛹の体液細胞は幼虫時に比べ貧食能が増大するが、この蛋白に対するモノクローナル抗体はこの増大する貧食活性を阻害した。抗体アフィニティカラムにより精製した120蛋白の部分アミノ酸配列の情報をもとにcDNA cloningを行った結果、この蛋白は細胞外にtandem EGF-like repeatsを有する構造的に新たな膜結合蛋白であることがわかった。今後、この因子を用い、昆虫の有する未知の不要細胞排除の分子機構を解析することが可能となった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)