転写因子欠損マウスに見られる免疫異常と皮膚炎症疾患の発症機序の研究
Project/Area Number |
10167206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
瀧 伸介 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50262027)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 転写因子 / インターフェロン / 炎症性皮膚疾患 / CD8^+T細胞 / IRF-2 / インターフェロン誘導遺伝子 |
Research Abstract |
インターフェロン制御因子(IRF)-2欠損マウス(IRF-2^<-/->マウス)を、C57BL/6に対して、3〜5回以上退交配した場合、生後7〜9週で全例に、脱毛を伴う皮膚炎症が発症することを発見した。皮膚病変部を組織学的に検討したところ、表皮の著しい肥厚、単核細胞の真皮への浸潤が見られ、さらに、表皮深部においてケラチノサイトの活性化、増殖が観察された。これらの所見はヒトpsoriasisに共通しているが、これら以外にも真皮深部のfibrosis、筋層の炎症が見られることから、IRF-2^<-/->マウスにおける皮膚疾患はヒトpsoriasisとその発症機序においていくつかの要素を共通に持つかもしれないが、その完全なモデルではないものと考えられる。本疾患にIFN-Iが関与しているか否かを明らかにするために、IRF-2^<-/->マウスとIFN-I受容体欠損マウスを掛け合わせ二重変異マウスを作成したところ、生後5ヶ月を過ぎても全く皮膚炎症が発症しなかった。同様の観察は、IFN-Iの細胞内シグナルに必須の転写因子ISGF3のDNA結合サブユニットであるp48とIRF-2をともに欠損する二重変異マウスにおいてもなされ、IFN-Iが本皮膚疾患の発症に必須の役割を果たしていることが明かである。既に炎症を呈しているIRF-2^<-/->マウス皮膚からRNAを調製し検討したところ、I型IFN(IFN-I)の発現は著しく低く、かつ野生型同腹マウスにおけるそれと全く差がなかったのに対し、IFN誘導遺伝子の発現は、野生型マウス皮膚に比較して数倍の上昇が見られた。以上から、本皮膚疾患の発症は、IRF-2欠損によってIFN-Iの産生が昂進するためではなく、IFN-Iに対する過剰な細胞応答に起因することが明かである。従って、IRF-2の生理的機能は、過剰なIFN-I反応およびその結果としてのIFN誘導遺伝子の過剰発現を抑制し、生体の恒常性を維持することにあるものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)