自己反応性B1細胞の異常増殖分化に基ずく疾患とその修復
Project/Area Number |
10167220
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
広瀬 幸子 順天堂大学, 医学部, 助教授 (00127127)
|
Project Period (FY) |
1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Keywords | 全身性エリテマトーデス / 高IgG血症 / 素因遺伝子 / マイクロサテライト / FcγRIIB1 / 遺伝子多型 / 連鎖解析 / MAPMAKER / QTL解析 |
Research Abstract |
全身性エリテマトーデス(SLE)においては、通常は自然免疫に関わっているB1細胞に異常活性化が生じ、これに伴って病的自己抗体産生が認められる。本研究では、SLEに特徴的な抗DNA抗体産生を含む高IgG血症の原因となる素因遺伝子解析を、SLE自然発症系の(NZB x NZW)F1マウスを用いて行った。方法としては、このF1マウスをNZWに退交配したマウス250匹を作製し、NZBとNZWの間で多型を認める約170個のマイクロサテライトマーカーを用いて、ゲノムワイドにMAPMAKER/QTL法により高IgG血症素因遺伝子の連鎖解析を行った。その結果、NZBマウスの第1染色体上でセントロメアより約92cMの部位に、優性効果を示す高IgG血症遺伝子がマップされた。この近傍には候補遺伝子として、FcγRIIB遺伝子がマップされている。そこで、NZBとNZWの間にFcγRIIB遺伝子多型が存在するかどうかを検討した。その結果、構造遺伝子には両者に差は認められなかったが、NZBマウスのプロモーター領域にはNZWおよび健常マウスには見られない13塩基の欠損が認められた。この欠損部位にはSboxならびにAP-4結合concensus sequenceが存在しており、FcγRIIB分子の発現調節を行う重要な部位と考えられた。 FcγRIIBの中でもFcγRIIB1は主にB細胞上に発現する分子で、その細胞内領域には活性化グナル抑制作用を持つITIMとよばれるモチーフを有しており、重要な免疫反応調節分子である。本研究によって、FcγRIIB遺伝子プロモーター領域欠損を伴う遺伝子多型がSLEにおけるB細胞異常活性化の素因の一つであることが示された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(11 results)