Project/Area Number |
10167222
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中山 俊憲 千葉大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50237468)
|
Project Period (FY) |
1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
|
Keywords | アレルギー / Th2 / IL-4 / ヘルパーT細胞 / Ras / ドミナントネガティブ |
Research Abstract |
本年度の研究によって、TCRの下流のRas/ERKMAPKの経路の活性化がTh2細胞の分化に必須であることがわかった(Yamashita et al.PNAS 96:1024,1999)。 Rasのドミナントネガティブトランスジェニックマウスを用いて、実験を行った。Th1/Th2の分化誘導については、OVA特異的TCR Tgマウス(DO10Tg)とかけ合わせた後、in vitroで抗原提示細胞とともにペプチド抗原刺激を行った後、5日後に細胞内のIL-4やIFNγの産生をフローサイトメトリーでsingle cellレベルで検出した。また、in vivoでの抗原特異的Th1/Th2の分化誘導については、TNP-KLHやTNP-OVAを免疫し、血清中の抗原特異的Ig濃度、特にTh1依存性のIgクラス(IgG2a)とTh2依存性のIgクラス(IgG1,IgE)などを測定した。その結果、どちらの系においてもRasのドミナントネガティブトランスジェニックマウスでは、Th2細胞の分化が障害を受けることが分かった。一方、Th1細胞の分化は障害を受けず、むしろ増強したことが明らかになった。従って、Th2の分化の障害に加えて、Th2細胞になるべき細胞がTh1になってしまったことが考えられた。さらに、ERKMAPK経路のMEKの特異的抑制剤(PD98059)を用いて、in vitroでのTh1/Th2の分化誘導を行うと、やはり、Th2細胞の分化が障害を受けTh1細胞の分化に増強がみられた。ドミナントネガティブトランスジェニックマウスと特異的抑制剤を用いた実験結果から、TCRの下流のRas/ERKMAPKの経路の活性化がTh2細胞の分化に必須であることが明らかになった。
|