Project/Area Number |
10168205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西郷 薫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50136454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
道上 達男 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (10282724)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | ショウジョウバエ / ヘジホグ遺伝子 / バイオアッセイ / エンハンサー |
Research Abstract |
ヒトのゲノム構造解析の結果、莫大な数の遺伝子のコーデイング情報が得られるが、このことは、必ずしも遺伝子の生物学的機能が分かった事を意味していない。本研究では、ヒト及び他の脊椎動物の位置情報遺伝子hedgehogや幾つかの転写制御遺伝子をショウジョウバエを用いてアッセイし、ヒト/ハエ・アッセイ系の問題点、可能性及び限界を探った。hedgehogは、無脊椎動物から脊椎動物に至る生物の形態形成において基本的な役割を果たす遺伝子である。最初に、ヒトの3つのhedgehogのゲノム配列を決め、次いでhedgehogゲノムDNA断片をUASベクターの下流につなぎ、それを持つトランスジェニックバエを作った。また、別途ショウジョウバエhedgehog遺伝子エンハンサーを解析し、複眼特異的エンハンサー、bar3エンハンサー、を特定し、その下流にGal4をつなぎ、そのtransgeneを持つトランスジェニックバエをつくり、更にUASバエと交配させた。bar3変異の背景で10ライン以上のUAS形質転換体について調べたが、いずれにおいてもbar3変異は全くrescueされなかった。一方、別の活性測定法で、Xepopusのhedgehog遺伝子は、逆の結果を与えた。ホメオボックス遺伝子、bHLH-PAS遺伝子についても類似実験を行ったが、少なくとも強制発現の結果からは、これらの遺伝子は、ショウジョウバエのhomologの代わりとして機能できることが示唆された。 遺伝子の時間的空間的発現は、エンハサーにより制御されている。ヒトのShhのエンハンサー活性が、ハエで調べられるかどうかを調べた。ヒト遺伝子の第一、二イントロンにハエでのエンハンサー活性があることが認められた。ハエのhedgehogは、胚で縞状に発現しているが、同様なゼブラパターンでの発現がヒトエンハンサーを用いても観察された。ハエ特有と思われるストライプ・エンハンサー活性が、何故ヒトにもあるのかは不明であるが、進化的に非常に興味深い結果である。ハエ及びヒトエンハンサーは、共に筋肉で、強い異所的発現を惹起した。
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