Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
|
Research Abstract |
Y染色体上のいくつかの場所を標的に遺伝子のクローニングを目指してきた。解析を行ううち,Y染色体の多様性が浮かび上がってきた。それとともに,男性の系譜とY染色体の機能的な違いについて,いくつかの興味深い点があることが分かってきた。言いかえれば,「Y染色体はいくつかのグループに分かれており,それぞれのグループ間では構造が相当違うのではないか」ということ,および,「Y染色体が違えば男性の繁殖結果が違うのではないか」ということである。 このように考える理由の1つは,Y染色体のマップを作っていて,由来する細胞が違うライブラリーを使うと,同じSTSが含まれる領域でも全然マップが違っていて,つながらないことである。すなわち,Y染色体の構造はライブラリーの由来した個体間で相当異なっているのではないかと思われる。一方で,日本人集団に見られるDNA多型を利用して,日本人のY染色体を4種類に分類している。まだ,結論づけられる段階ではないが,この4つの系統で表現型が違うことを示唆する結果を得ており,系統の違うY染色体が機能的に異なっていると思われる。 本年の解析で,上記のようなことが徐々に明らかになり,以前より感じていたことであるが,Y染色体には相当の多様性があり,またそれが表現型につながっているのではないかということが強く示唆された。このようなことを考えると,Y染色体のゲノム計画を進めるにあたっては,まず,きちんとY染色体を分類した後,どのグループの染色体を解析しているかを分かった上で進めて行く必要がある。今後の研究のためにそれぞれのグループのセルラインを確立することを考えている。
|