Project/Area Number |
10169206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
稲垣 暢也 秋田大学, 医学部, 教授 (30241954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 勝也 秋田大学, 医学部, 助手 (40241666)
堀本 直幹 秋田大学, 医学部, 講師 (40243927)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | ATP感受性K^+チャネル / スルホニル尿素 / 膵β細胞 / ノックアウトマウス / 心筋細胞 / G蛋白質 |
Research Abstract |
ATP感受性K^+チャネル(K_<ATP>チャネル)は、細胞内のATPによって開閉が調節されるK^+チャネルである。我々は膵β細胞のK_<ATP>チャネルがABC蛋白であるスルホニル尿素受容体SUR1と内向き整流性K^+チャネルKir6.2の複合体であること、心筋のK_<ATP>チャネルが新たなスルホニル尿素受容体SUR2AとKir6.2の複合体であることを明らかにした。 従来よりK_<ATP>チャネルがG蛋白質によって調節を受ける可能性が示唆されていたが、その詳細は不明であった。そこで本研究では、まず再構成系の実験においてこの点について検討した。その結果、K_<ATP>チャネルがG蛋白質(Giα)によって直接調節されること、また、膵β細胞型K_<ATP>(SUR1/Kir6.2)チャネルと心筋型K_<ATP>(SUR2A/Kir6.2)チャネルではその調節が異なることから、G蛋白質(Giα)によるK_<ATP>チャネルの調節はSURサブユニットの違いによって異なることを明らかにした。 一方、従来より脳においてK_<ATP>チャネルは広く分布し特に黒質において多量に発現していることが、グリベンクラミドの結合実験や電気生理学的研究から知られている。最近では、in situ hybridizationにより神経細胞にSUR1とKir6.2が共在するという報告もあり、神経細胞においては膵β細胞型のK_<ATP>チャネルが発現することが示唆されているが詳細は不明である。そこで、膵β細胞型と心筋型の両者のK_<ATP>チャネルに共通のKir6.2のノックアウト(KO)マウスを用いて特に神経細胞におけるK_<ATP>チャネルの役割について検討した。Kir6.2のKOマウスは千葉大学の清野教授との共同研究により使用可能となった。KOマウスならびに対照マウスの黒質の神経細胞を単離し、パッチクランプ法を用いて電気生理学的記録を行った結果、対照マウスの黒質神経細胞には膵β細胞型のK_<ATP>チャネル(SUR1/Kir6.2)電流が観察される一方で、KOマウスの黒質神経細胞においてはそれが認められないことが確認された。今後、このKOマウスを用いることによりSURによるK_<ATP>チャネルの調節機構が解明されるだけでなく、K_<ATP>チャネルの生理学的意義が個体あるいは細胞レベルで明らかになると思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)