心筋K^+チャネルのユビキチン化による修飾とその病態生理学的意義
Project/Area Number |
10169209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中谷 晴昭 千葉大学, 医学部, 教授 (60113594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 武彦 千葉大学, 医学部, 助手 (00292673)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 心筋イオンチャネル / Nedd4 / ユビキチン化 / 電気生理 / 酵母two-hybrid system |
Research Abstract |
〈目的〉 心筋イオンチャネルは、刻々変化する環境に応じて機能の調節を受けている。これまでのチャネル活性の調節に関する研究では、チャネル蛋白の生合成から膜への輸送過程、及び膜上のチャネル蛋白に対する修飾が精力的に解析されてきたが、チャネル蛋白の分解過程についての研究はほとんどなされていない。我々は、心筋に発現する種々のイオンチャネルの中に、ユビキチン-プロテアソーム系により代謝される蛋白に特徴的なアミノ酸配列とされるPYモチーフやPESTドメインとよく似たアミノ酸配列を有するものがいくつかある事から、心筋イオンチャネルのユビキチン-プロテアソーム系による代謝調節を介した機能修飾の可能性について検討することとした。 〈結果・考察〉 1. 酵母two-hybrid systemを用いた結合実験において、HERG及びSUR2AがユビキチリンガーゼNedd4のWWドメインと結合する結果を得た。しかし、アフリカツメガエ卵母細胞に発現させたHERG電流に対しプロテアソームインヒビター(MG-132)は増強作用を示さなかった。また、HERGのPYモチーフに変化を加えた際の発現電流量は、wild typeと比較して有意な増強は認められなかった。このことから、本実験条件ではHERGチャネル蛋白質の代謝においてユビキチン-プロテアソーム系は優位に働いてはいないと考えられる。しかしながら、虚血などの特殊な環境下においてこの系が働く可能性は残されており、様々な実験条件のもとでの更なる検討が必要であると考えている。 2. アフリカツメガエル卵母細胞に発現させたClC2G電流を、MG-132は有意に増強した。また、細胞容積に関係なく活性化状態にある変異体ClC2GDNの電流もMG-132は有意に増強した。このことから、ClC2G電流はユビキチン-プロテアソーム系による機能調節を受けている可能性が示唆された。また、MG-132によるClC2G電流の増強作用は、細胞膨化に伴うClC2G電流の増強とは異なる様式によるものであることが明らかとなった。今後はClC2G自体がユビキチン化されているか否かを、免疫沈降等を用いて確認する必要があると考えている。3. ClC2Gはcdc2キナーゼによる基質認識配列と考えられる部位に変異を加える(S636A)ことにより、発現電流が増強した。今後、ClC2Gが実際にcdc2によりリン酸化されるか否か、されるとすればそれがClC2G蛋白の代謝に影響を与えるか否かを検討する必要があると思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)