Project/Area Number |
10169212
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
唐木 英明 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60011912)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬戸 実 旭化成工業, ライフサイエンス総合研究所, 研究員(研究職)
堀 正敏 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70211547)
尾崎 博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30134505)
|
Project Period (FY) |
1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Keywords | 細胞内カルシウム / カルモジュリン / 平滑筋細胞 |
Research Abstract |
我々はこれまでに、平滑筋細胞内に多量に存在するカルモジュリン(CaM)のうち、大部分(95%以上)が結合状態で存在するためにCaMとして機能できないこと、細胞内Caが増加するとそれに伴って遊離CaM量が増加すること、さらに持続的なCaの増加によってCaMが細胞質から核内へと移行することなど、CaMが細胞内でダイナミックに移動・局在することを明らかにしてきた。本研究では、4種の変異CaMを用いて、CaMの血管平滑筋細胞内での局在と移動に対する影響を検討し、さらに静止状態の細胞におけるCaMの結合分子の探索を行った。細胞内でのCaMの流動性を測定した結果、用いた変異CaMのうちM144R CaMとE140Q CaMは、野生型CaMに比べて蛍光回復速度が速かった。また、蛍光回復率はM144R CaMにおいてのみ対照のデキストランとほぼ同程度の蛍光回復率まで増大した。蛍光顕微鏡によるCaM動態の検索において、E82-84K CaMとE140Q CaMは静止状態での核内分布が低下した。また、イオノマイシン1μM投与による細胞質から核内へのCaMの移行はE82-84K CaMとE140Q CaMにおいて減弱し、M36L CaMにおいては消失したが、M144R CaMにおいては野生型CaM同様の核内への移行が認められた。以上の成績から細胞質でのCaMの結合にはC末端の疎水性領域とCa結合領域IVが重要であるのに対して、核へのCaMの移行と結合にはこれとは異なるN末端側の疎水性領域とα螺旋構造の負電荷のアミノ酸残基が重要であることが示唆された。そこで、次にCa非依存性のCaM結合分子を探索するために、Ca存在下あるいは非存在下でビオチンラベルしたCaMを用いてウエスト-ウエスタン法を試みた。その結果、ラット大動脈平滑筋細胞質分画より、約9種類のCa依存性のCaM結合蛋白質と5種類のCa非依存性のCaM結合蛋白質を検出した。細胞内において、静止状態においてもCaMの大部分が結合型の状態で存在していることから、Ca非依存性にCaMと結合する5種の分子が、生理的なCaMプールとして重要な機能を果たしている可能性が示唆された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)