ロドプシンを試験管とした受容体、G蛋白質共役特異性の解析
Project/Area Number |
10169232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
七田 芳則 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60127090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺北 明久 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30212062)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | レセプター蛋白質 / ロドプシン / ムスカリン受容体 / G蛋白質 / 変異蛋白質 / G蛋白質共役特異性 / 生化学的手法 / 遺伝子操作 |
Research Abstract |
視覚の光受容体であるロドプシンは、その共役するG蛋白質のサブタイプにより3種類に分類できる。我々はウシロドプシン(Gt共役型)を基準蛋白質として他のロドプシンの細胞内ループをウシロドプシンに組み込んだキメラ蛋白質を解析することにより、ロドプシンにおいては細胞内第3ループがG蛋白質選択性に重要であることを明らかにした。そこで、このG蛋白質特異性解析の手法が光受容体以外の一般の受容体にも広く応用できるかを検討するため、ウシロドプシンの細胞内ループをG蛋白質共役特異性のよく調べられているムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR)に置換した変異体を作成した。その結果、第3ループをGi/Go共役型のmAChR2に置換した変異体ではGtの活性化能が減少しGoの活性化能が上昇した。以上のことから、ウシ口ドブシンとmAChRとの間には細胞内第3ループを利用したよく似たG蛋白質選択メカニズムが存在することがわかった。 しかし、ウシロドプシンの第2ループをmAChR2のものに置換した変異体ではGtとGoともに活性化能が著しく減少した。すなわち、G蛋白質との共役特異性を細胞内第3ループを用いて獲得している点では両レセプターで同じであるが、細胞内第2ループはそれぞれのレセプターがG蛋白質を活性化するために必須であり、交換不可能であることが明らかになった。さらにキメラ変異体を利用してロドプシンのG蛋白質活性化に必須な細胞内第2ループ内の領域を特定したところ、N末端の7アミノ酸残基が重要であることを見いだした。また、部位特異的変異体を用いた実験から、そのうちのわずか3アミノ酸残基の違いが、ロドプシンとムスカリンレセプターとのG蛋白質活性化機構の違いに反映されていることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(15 results)