グルタチオンの介する生体情報機構を探るプローブ合成-生体内グルタチオンレベルを制御する特異的阻害剤の開発-
Project/Area Number |
10169236
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
小田 順一 福井県立大学, 生物資源学研究科, 教授 (50027041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日〓 隆雄 福井県立大学, 生物資源学部, 講師 (00285181)
加藤 博章 京都大学, 化学研究所, 助手 (90204487)
平竹 潤 京都大学, 化学研究所, 助教授 (80199075)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | グルタチオン / γ-グルタミルシステイン合成酵素 / 遷移状態アナログ |
Research Abstract |
本研究は、グルタチオンの関与する生体情報機構を調べるためのプローブとして、グルクチオン生合成の律速酵素であるγグルタシルシステイン合成酵素(γ-GCS)を特異的に阻害し、生体内グルタチオンレベルを人為的に制御しうる化合物の設計と合成を目的としたものである。そこで、本酵素反応の過程で基質L-Gluのアシルリン酸中間体がL-CySによって攻撃されペプチド結合が生成する段階の遷移状態アナログとして相当するホスフィネート及びスルホキシミンを合成した。両化合物はいずれもATPの存在下で酵素を徐々にしかも不可逆的に失活させる強力な阻害剤として作用し、推定した遷移状態並びに反応機構が正しいことが裏付けられた。また、酵素の失活がATPの存在下でのみ起こることから、酵素の活性中心内で阻害剤のP-O-酸素或いはS=NH窒素がATPによるリン酸化をけ実際の遷移状態と極めて類似した分子種を生じる、所謂mechanism based enzyme inactivationが起こっていることが推察され、化学合成したリン酸スルホキシミンの阻害活性を調べることにより証明された。更に、スルホキシミンのキラルなS原子に由来するジアステレオマーを合成した所、R配置のS原子を持つ化合物のみがATP依存性の強い阻害活性(Ki=39nM)を示したのに対し、S原子のS体は可逆的で弱い阻害活性しか示さなかった。即ち、酵素はイオウ原子上のキラリティーを厳密に認識し、R配置のスルホキシミンにのみリン酸化が行われているものと思われる。このR体は、これまで本酵素の特異的阻害剤として汎用されて来たブチオニンスルホキシミンの1000倍以上の阻害活性を有し、生体内グルタチオンレベルを制御する物質として、強力な薬剤となることが証明されつつある。 また、本酵素を不可逆的に失活させる自殺基質を反応機構から推定し、L-グルタミン酸-γ-ヒドロキサム酸がATPの存在下でRossen転位様の反応を起こし、本酵素を不可逆的に失活させることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)