非結合性相互作用を有する新規分子の合成とその医薬品リード化合物開発への応用
Project/Area Number |
10169247
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
長尾 善光 徳島大学, 薬学部, 教授 (40027074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 茂樹 徳島大学, 薬学部, 助教授 (20226038)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 非結合性相互作用 / アンジオテンシン / アシルイミノチアジアゾリン / X線結晶解析 / ab initio / カルバペネム抗生物質 / ビアペネム / 有機硫黄化合物 |
Research Abstract |
血圧降下剤開発の共同研究過程で、各種アシルイミノチアジアゾリン誘導体を合成しアンジオテンシンII(AII)受容体拮抗活性テストに付したところ強力な拮抗作用を示す新規化合物の合成開発に成功した。多数の合成化合物のなかから3種の結晶化合物をX線結晶解析に供したところ、全ての化合物において分子内非結合性S・・・O相互作用の存在が示唆される知見が得られた。更に簡単な4種のモデル化合物を合成しX線結晶解析に付したところ、同様に非結合性S・・・O相互作用の存在が示唆された。そこで、ab initio MO計算にて詳細に検討したところ、S・・・O相互作用を示すアシル基の回転異性体が最も安定であることが明らかとなった。硫黄原子を酸素原子に変えたアシルイミノオキサジアゾリン誘導体のAII受容体拮抗活性は低下していることも明らかとなった。この様な非結合性S・・・O相互作用は多数の医薬品リード化合物分子内に存在することが期待された。われわれは独自に合成したキラルなチオジグリコール酸モノアミドスルホキシド体分子内においてスピロ型のS・・・O相互作用の存在をそのX線結晶解析によって明らかにした。更に、ヒドラジン水和物とアリルブロミドを原料とするメルカプトビシクロトリアゾリウムクロリド体の実用的合成を共同研究下に達成し、その1β-メチルカルバペネム骨格への導入により強力抗菌剤ビアペネムの合成法を確立した。ビアペネムのX線結晶解析、^1H-及び^<13>C-NMR分析、重水素化実験等から、ビアペネム分子内にS・・・O非結合性相互作用やCH・・・O水素結合の存在を明らかにした。ジフェン酸のチアゾリジン-2-チオンジアミド体のX線結晶解析と^1H-NMR分析から、CH・・・π相互作用の存在を証明することに成功した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)