生体内一酸化窒素(NO)可視化のための探索分子の研究・開発
Project/Area Number |
10169250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
片山 佳樹 九州大学, 工学部, 助教授 (70284528)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | NO / 一酸化窒素 / 探索分子 / 細胞情報伝達 / 分子プローブ / 蛍光試薬 / スピントラップ剤 / ESR |
Research Abstract |
本研究では、生体内一酸化窒素(N○)の計測用蛍光プローブと、スピントラップ剤の開発を進めた。 【蛍光プローブ】 蛍光プローブの設計に当たってNOを直接捕捉して活性化するクアニル酸シクラーゼの活性中心をモデルとした。様々な蛍光性配位子を設計・合成した結果、側鎖としてキノリン環を有する化合物の鉄錯体がNOと直接反応して蛍光が変化することを見出した。種々の検討から、この分子はNOを直接捕捉して蛍光変化を起こすこと、また、NO派生物として重要な過酸化亜硝酸に対して選択性を有することがわかった。S-ニトロソチオールでは鉄により触媒的に分解し、発生したNOを捕捉した。本プローブはリポソームなどに封入することによって、生体内NOを計測できる可能性があることが示唆された。 【スピントラップ剤】 スピントラップ剤としては、既に幾つかのジチオカルバメート鉄錯体が使用されているが、真の選択性や構造の最適化は不明である。そこで、系統的に構造因子を変化した種々のプローブを設計・合成し、NO計測能を比較した。その結果、水溶性のプローブでは、導入された官能基の電子吸引性に依存して感度が下がり、その原因は中心鉄の酸化のされ易さにあった。一方、疎水性のプローブでは、ミセルでの検討から分子のかさばりに依存してシグナル安定性が良くなるが、感度は低下した。これは、ミセル内の錯体のパッキング効率によるものと考えられた。また、NOは鉄三価存在下でジチオカルバメートをニトロソ化し、測定に影響することも見出した。すなわち、従来の測定計では、かなりの錯体が酸化されていることと、ニトロソジチオカルバメートの存在が誤差となることが分かった。水溶性プローブをアスコルビン酸溶液としてリポソームに封入すれば、これらの影響を除外でき、理想的計測系が得られることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)