生体機能調節因子としてのテトラヒドロビオプテリンの分子生物学的研究
Project/Area Number |
10169258
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
一瀬 宏 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教授 (90192492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大江 瑞恵 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 研究員 (10247661)
鈴木 崇弘 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助手 (70298545)
永津 俊治 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 教授 (40064802)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | テトラヒドロビオプテリン / GTPシクロヒドロラーゼI / ドーパ反応性ジストニア / 高フェニルアラニン血症 / 分子生物学 / 一酸化窒素合成酵素 / カテコールアミン |
Research Abstract |
テトラヒドロビオプテリンは、カテコールアミン生合成やNO合成に必須であり、多くの生理機能への関与が示唆されている。我々は、BH4の生合成律速酵素であるGTPシクロヒドロラーゼI(GCH)の酵素化学的性質を調べるために、ヒトGCHを大腸菌発現系により大量発現し精製酵素標品の解析を行った。 ヒトGCHのcDNAを大腸菌のGST融合タンパク質発現用ベクターに組み込み、GST融合ヒトGCH(GST-hGCH)を発現させた。GST-hGCHの精製は、グルタチオンセファロースカラムとゲルろ過カラムを用いて行った。また、野生型GCHばかりでなく、優性遺伝するドーパ反応性ジストニア(HPD)においてみつかったミスセンス変異体(M88,M201)と、劣性遺伝形式の悪性高フェニルアラニン血症(HPA)でみつかった変異体(M184,M211)のそれぞれを大腸菌で発現させ精製した。ネイティブなGCHは、活性部位を5つのオリゴマーで形成し、これが上下に2つ重なった十量体を形成することが報告されている。ゲルろ過上の溶出位置とキネティクスの解析からM88、M184、M201はオリゴマー形成が正しく行われず失活していると考えられた。これに対して、M211はオリゴマー形成は正常に行われているようだったが、GTPに対する親和性が大きく低下していた。以上の結果から、GCHのオリゴマー形成および活性発現に重要なアミノ酸残基が明らかとなった。また、変異体の性状にHPDとHPAとで明確な違いがなかったことから、HPDの発症を決める要因はGCHタンパク質の性質以外にあることが示唆された。 本補助金により購入した超低温フリーザーは、精製酵素の保存やヒトGTPシクロヒドロラーゼI発現大腸菌の保存などに有効に活用されている。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)