新規探索因子を用いた膜イオン輸送蛋白の細胞生理機能解析
Project/Area Number |
10169266
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
重川 宗一 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 部長 (00113738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 隆宏 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 室員 (20300973)
若林 繁夫 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 室長 (70158583)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | Na^+ / Ca^<2+>交換輸送体 / プロティンキナーゼC / 阻害薬 |
Research Abstract |
1) 心筋および平滑筋細胞に発現するNa^+/Ca^<2+>交換輸送体(NCX1)の特異的阻害剤として開発したisothiourea誘導体が、神経組織などに発現するNa^+/Ca^<2+>交換輸送体の他の分子種(NCX2およびNCX3)にどのような作用を及ぼすか各分子種cDNAをCCL39細胞に発現させて検討したところ、3種のアイソフォームの輸送基質イオン(Ca^<2+>、Na^+)に対する親和性は同じであるが、阻害薬などの効果には差異が存在した。阻害薬はNCX3をNCX1、NCX2よりも約3倍強く阻害し、一方、金属イオン阻害剤であるNi^<2+>、Co^<2+>などは、NCX3よりもNCX1、NCX2を約10倍強く阻害した。そこで、NCX1とNCX3のキメラ交換体を作成し、isothiourea阻害薬およびNi^<2+>を認識する作用部位を明らかにし、これらの機能的な差異に関わるアミノ酸を同定した。 2) エンドセリン-1、PDGFなどによるこれら分子種の活性制御の機序を検討した。これらの因子はNCX1をCナーゼを介してリン酸化し且つその活性を増大させたが、NCX2及びNCX3に対しては、NCX3のみの活性を増大させ、いずれの輸送体蛋白もリン酸化しなかった。活性制御におけるNCX1輸送体リン酸化の意義を明らかにするため、まず、Cナーゼによる輸送体のリン酸化部位を同定し、リン酸化能を失ったNCX1変異体を作成して上述の生理活性因子の作用を検討したところ、これらの因子の活性化作用は、野生型NCX1の場合と同様に観察された。従って、これらの生理活性因子によるNCX1の活性化には、輸送体自身のリン酸化は関与せず、細胞質のリン酸化蛋白質が関与すると結論した。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)