Project/Area Number |
10171202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
古久保 克男 (徳永 克男) 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (00272154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸尾 文昭 筑波大学, 生物科学系, 助手 (30199921)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 脳 / 発生 / 遺伝子 / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
我々は、脳の基本的成り立ちを理解するために、より単純なショウジョウバエ脳をモデルに選定し、分子解剖学的解析を進めている。ショウジョウバエの脳は、3つの独立した神経節bl,b2,b3より構成され、それらの初期形成は、ヒト脳と共通するotd/Otx遺伝子とems/Emx遺伝子により制御されている。われわれはこれまでに、ヒトOtx遺伝子がショウジョウバエotd変異体の脳・頭部発生異常を救助することを報告し、脊椎動物と無脊椎動物両者の脳初期発生に共通する分子機構の存在を明らかにしてきた。今年度は、以上のショウジョウバエ脳形成過程の研究をさらに推進し、脳に於ける神経回路網の形成機構を理解するために、初期脳において主要な神経軸策路がどのように開拓され発展するか、またそこにどのような遺伝子が関与しているか解析を進めた。 結果:1)神経軸策路に特異的な抗Fasciclin II抗体とレーザー共焦点顕微鏡を使用した解析により、単純な神経節と同様に、脳においても初期神経軸策路の開拓と形成が高い再現性を持って進行することをまず明らかにし、その形成過程を、神経細胞を個々に識別しうる高い解像度で記述した。2)つぎに、ショウジョウバエ初期脳形成過程で発現される多数の発生制御遺伝子の遺伝子のなかから、初期神経路形成に重要な遺伝子としてextradenticleとhomothoraxとを同定し,その作用様式を分子レベルで解析した。これらの結果は、脊椎動物初期脳の分化・軸策形成過程においても同様な.分子機構が存在ずることを強く示唆するものである。
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