脊椎動物・ポリコーム遺伝子産物による前後軸形成のコントロール
Project/Area Number |
10171203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
古関 明彦 千葉大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40225446)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | ポリコーム群 / 哺乳類 / 前後軸形成 / ホメオボックス / 細胞死抑制 |
Research Abstract |
我々は,ショウジョウバエ・ポリコーム遺伝子群のひとつであるPosterior sex combs(Psc)の哺乳類ホモログmel-18を,癌抑制遺伝子のひとつとして単離した.Mel-18とそのホモログBmi-1遺伝子産物の機能を分子レべルで明確にしていくことが、本研究の目的であり、平成10年度は、(1)Mel-18遺伝子産物はどのようにHoxクラスターに作用するのか?(2)Mel-18とBmi-1遺伝子産物は,どのように作用するのか?(3)細胞分化のプロセスにおけるMel-18の機能に焦点を絞った解析を行った. (1) Mel-18遺伝子産物はどのようにHoxクラスターに作用するのか? 昨年度までの解析から,Mel-18とBmi-1遺伝子産物は,ホメオボックス遺伝子群の発現コントロールを含む初期の前後軸形成の過程には必須ではないが、ホメオボックス遺伝子群の限局された発現ドメインを維持していくために必要であることが示された.Mel-18とBmi-1が、作用するホメオボックスクラスター上のシスエレメントを明らかにする目的で、mel-18またはbmi-1欠失アリルを各種のHoxb8 promotor/LacZトランスジェニックマウスへ導入した.驚いたことに、mel-18欠失マウスでは、いずれのトランスジェニックマウスにおいても、レポーター遣伝子の発現は強く抑制され、LacZmRNAの発現量は野生型の20%まで低下していることが明らかになった.しかし、bmi-1欠失マウスではそのような抑制は観察されなかったことから、Mel-18とBmi-1は異なる機序を介してホメオボックスの転写制御に寄与する可能性が示された.そして、このような転写の抑制は、トランスジーンのメチル化の亢進に基づくこが示唆された. (2) Mel-18とBmi-1遺伝子産物は,どのように作用するのか? mel-18とbmi-1遺伝子座の間に見られた遺伝的相互作用の分子基盤を明らかにしていくために、Mel-18遺伝子産物に結合するタンパクの系統的な同定を試みた。Yeast Two Hybridシステムを用いたスクリーニングにより、Rae-28(Mph1)、Mph2、Ring1Bなどのショウジョウバエ・ポリコームに関連したタンパクの他、多くのMel-18結合タンパクを同定した.Rae-28(Mph1)、Mph2,Ring1Bは、いずれも哺乳類培養細胞においても、Mel-18と結合しうる.現在、これらのタンパクに対するモノクロナル抗体の作製に成功しており、これらを用いて胎児組織におけるこれらのタンパクの結合の有無、親和性、頻度を検定する.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)