脊椎動物の発生初期の脳における領域特異性決定機構の解明
Project/Area Number |
10171208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
嶋村 健児 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70301140)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 神経発生 / パターン形成 / シグナル分子 / 領域特異性 / 神経上皮細胞 |
Research Abstract |
完成した脊椎動物の脳では、領域ごとに異なる形態的特徴と機能分担が見られる。本研究は、脳の部域特異的組織形成の基礎と考えられる神経上皮細胞上のパターン形成機構の解明を目的としている。これまでの研究により、FGF、SHH、BMP、WNTといった細胞外のシグナル分子が重要な働きをしていることが明らかになってきた。これらのシグナル分子は、神経板上や、隣接する非神経組織に局所的に発現し、その周囲の細胞に、転写制御因子をはじめとする特定の分子マーカーの発現を誘導する。我々は、このような誘導現象のうち、シグナル分子の領域特異的反応性について重点的に研究を行っている。このようなに、同じシグナル分子に対し、受け手の細胞によってその反応が異なるという現象は、神経組織にかぎらず、発生のさまざまな過程でよくみられる現象であるが、その分子的基盤についてはほとんどわかっていない。我々は、この問題を追求することで、初期神経板におけるパターン形成機構の理解を深めようと考えている。今年度は、Nkx2.1の前脳特異的発現機構の解析、神経板におけるFGF8に対する領域特異的反応性について研究を進めた。まず、このような課題の遂行に必要不可欠であると考えられる新しい実験手法を開発した。すなわち、ニワトリ胚の原腸胚を摘出してin vitroで培養し(New culture)、電気せん孔法によって遺伝子導入するという方法を開発した。in ovoでの遺伝子導入法はすでにいくつか確立されているが、神経板形成時の初期胚に適用できるものはなかったためである。結果として、非常に高率で初期神経板に遺伝子導入することに成功した。この方法を用い、これまでに領域特異的因子の異所性発現、恒常化活性型のシグナル分子受容体導入などを行った。これらの結果は、十分な検体数をとって有意性を慎重に吟味した後、論文にまとめる予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)