Project/Area Number |
10171221
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐々木 洋 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (10211939)
|
Project Period (FY) |
1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | Sonic hedgehog / Gli / パターン形成 / 神経管 / マウス / 転写因子 |
Research Abstract |
神経管の腹側パターンは、その腹側にある脊索から放出されるSonic hedgehog(Shh)シグナルによって形成される。これまでに、Shhによる標的遺伝子の発現誘導にはGliファミリーの転写因子の関与が示唆されてきたが、その詳細については不明であった。そこで、本研究では、まずGli2に注目し、それがShhシグナルの仲介因子となっている可能性について検討した。培養細胞では、全長のGli2は弱い正の転写因子としての性質を示したが、ドメイン解析の結果、Gli2は転写抑制ドメインと転写活性化ドメインとを持つ複雑な転写因子であり、状況により強力な正の転写因子にも転写抑制因子にもなりうろことが示唆された。 つぎに、Gli2のShhシグナル伝達における役割を調べるために、Gli2を神経管の背側で発現するトランスジェニック胚を作成した。全長のGli2を発現させた個体は正常だったが、転写抑制ドメインを欠失した活性化型Gli2を発現させた個体では、Shhの標的遺伝子が神経管の背側で異所的に発現し、活性化型Gli2はShhの効果を模倣した。したがって、Gli2はShhによって活性化されて標的遺伝子を誘導する、Shhシグナルの仲介因子であると考えられた。Gli1,Gli3についても同様の解析を行った結果、Gli3もGli2と同様にShhの仲介因子として働くことが示唆され、一方Gli1は転写抑制ドメインを持たない単純な正の転写因子であり、間接的にShh標的遺伝子の誘導に関わっていると考えられた。以上の結果より、神経管パターン形成におけるGliファミリーの機能について次のようなモデルが考えられる。Shhは、まず腹側においてGli2,Gli3を活性化する。ついで活性化されたGli2/3が正の転写因子であるGli1-発現を誘導し、活性化されたGli2/3と誘導されたGli1とが協調的にShhの標的遺伝子を発現させる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)