Project/Area Number |
10171222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
小椋 利彦 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (60273851)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 肢芽 / 眼 / TBX遺伝子 / 網膜視蓋投写 / 極性 |
Research Abstract |
ニワトリをモデル動物として、TBX遺伝子の機能を眼球(網膜)と肢芽で解析した。本研究では、TBX5遺伝子が背側眼杯とwingで、TBX4遺伝子がlegで発現していることが明らかとなった。機能解析の目的でTBX5をlegに、TBX4をlegに強制発現した。この結果、wingの形態がleg様に(feather budの抑制とウロコの出現、4つの分離したdigit、骨パターンの変化)、legの形態がwing様に(ウロコ形成の抑制、3digits、全体がfeatherに覆われること、骨パターンの変化)変換された。これに伴って、Hox遺伝子の発現パターンが変化していた。これらの事実は、TBX5/4遺伝子が肢芽のwing/leg identityを決定する因子であり、その下流にHox遺伝子が存在することを示している。また、TBX5遺伝子の強制発現によってTBX4遺伝子の発現が抑制されることから、肢芽の形成において、TBX5遺伝子がdominantに働いていることが明らかとなった(論文投稿中)。また、TBX5遺伝子を眼杯の腹側に強制発現させると、眼球の形態が変化し、double dorsal様になった。これに伴った、種々の遺伝子(EphrinB1l/B2,PAX2)の発現が変化していた。また、網膜神経節細胞の軸策と投射が、視蓋に置いて著しく乱れていることも明らかとなった。このことはTBX5遺伝子が眼球の背腹軸の決定にも深く関与していることを示唆している(論文投稿中)。 本研究によって、以上の事実が明らかとなったが、これらは、TBX5/4遺伝子が肢芽と眼球(網膜)の組織形成にあいて、極性と領域特異性を決定する中心的な遺伝子であることを意味し、発生生物学全般の理解に大きく貢献すると思われる。
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