脊椎動物形態形成遺伝子ホモログの棘皮動物における発現と機能の解析
Project/Area Number |
10171224
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
嶋田 拓 広島大学, 理学部, 教授 (70011559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中坪 敬子 広島大学, 理学部, 助手 (40192760)
赤坂 甲治 広島大学, 理学部, 助教授 (60150968)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 形態形成 / ウニ / Hbox / Ets / 強制発現 / 胚葉分化 |
Research Abstract |
1. 反口外胚葉形成におけるHpHbox1の役割の解析 Hbox1蛋白質に対するポリクロン抗体を作製し、それをプローブとして各発生段階のウニ胚核抽出物をウエスタンブロットしたところ、分子量約34KDの単一バンドが原腸胚からプルテウス幼生にかけて認められた。次にHbox1の発現部位を調べるために、抗Hbox1抗体を用いた胚の免疫組織化学染色を行ない、原腸胚の予定反口側外胚葉の細胞核、プリズム幼生およびプルテウス幼生の反口側外胚葉の細胞核にHbox1タンパク質が局在することを認めた。ウニ原基を形成する以前のウニ初期胚では、Hbox1遺伝子とHbox7遺伝子のみが顕著に発現することが報告されており、また北米産のウニS.purpuratus初期胚では、Hbox1遺伝子とHbox7遺伝子は相補的に組織特異的な発現をすることが知られている。Whole mount in situhybridizationによりバフンウニ初期胚においてHbox7 mRNAは胞胚期には胚全体に存在するが、原腸胚期以降では胚の内胚葉、二次間充織細胞、口側外胚葉に局在することがわかった。これらの結果、Hbox1は反口側外胚葉の最初の分化には関与しないものの、一旦形成されたウニ胚反口側外胚葉の維持に関与すると考えられ、棘皮動物門に属するウニ胚でもHoxがパターン形成に関わることが明らかになった。しかしながら、ウニHoxは脊椎動物や昆虫のHoxのように胚の細胞に軸に沿った位置価を与えてパターン形成を行うのではなく、細胞系譜特異的な組織の分化に関与して胚のパターン形成を行うものと考えられる。そのパターン形成は、自らが発現する以外の領域で発現する遺伝子の発現を抑制することによって起こるのであろう。 2. 中胚葉(間充織細胞)形成におけるEtsの役割の解析 transactivation実験の結果、HpEtsは第一次間充織細胞特異的遺伝子SM30の発現の組織特異性を調節していることがわかった。 本年度の研究により、脊椎動物の形態形成遺伝子ホモログが棘皮動物の形作りに働くしくみの一端が明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)