Project/Area Number |
10171232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
山口 朗 昭和大学, 歯学部, 助教授 (00142430)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 骨芽細胞 / 骨形成 / BMP / Cbfa1 |
Research Abstract |
近年、種々の組織・器官の形成過程でHedgehog(Hh)が重要な役割を担っていることが報告されているが、Shhが骨芽細胞の分化にどのような作用をもたらすかは明らかにされていない。また、骨芽細胞は軟骨細胞、脂肪細胞、筋肉などと共通の未分化な間葉系細胞に由来すると考えられている、骨芽細胞の分化を決定する転写因子の解析は十分に明らかにされていない。そのため、今年度は骨芽細胞の分化に及ぼすShhの役割の解析と骨芽細胞の分化の決定に重要な転写因子の同定を目的として研究を行い、以下の結果を得た。 1) 骨芽細胞の分化に及ぼすShhの作用 Shhが骨芽細胞の分化に及ぼす作用を解析するために多分化能を有するマウス胎児由来のC3H10T1/2細胞とマウス胎児頭蓋冠由来の骨芽細胞様細胞MC3T3-E1細胞を用いて実験を行った。その結果、ShhはC3H10T1/2およびMC3T3-E1細胞における骨芽細胞の表原形質の発現を誘導または促進した。また、Shhの作用機序にはBMPが関与していることが、可溶性BMP受容体IAを用いた実験から明らかになった。以上の結果より、SHHは骨芽細胞の分化および骨形成の過程で重要な役割を担う因子であると考えられた。 2) 骨芽細胞の分化を決定する転写因子の同定 最近、Cbfa1(Core binding faotor1)という転写因子が骨芽細胞の分化を決定するのに重要であることが明らかにされた。Cbfa1はrunt domain gene familyに属する転写因子である。大阪大学医学部第3内科の小守らはCBFA1の機能を解析するためにcbfa1遺伝子のノックアウトマウスを作製した。我々は、小守らと共同でこのマウスの骨格の解析を行った。そして、cbfa1欠失マウスでは骨組織が全く形成されていないことを明らかにした。しかし、cbfa1欠失マウスの頭蓋冠部から採取した培養細胞にBMP-2を添加するとオステオカルシンのmRNAの発現と蛋白質の産生が誘導された。これらの結果はCbfa1はオステオカルシシの産生を調節する重要な転写因子であるが、他の転写因子での調節も重要であることを示唆している。以上のcbfa1ノックアウトマウスや培養細胞での実験結果からCbfa1が骨芽細胞の分化を決定する重要な転写因子の一つであることが明かとなった。
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