分子シャペロンによるT細胞受容体の発現調節機構の解明
Project/Area Number |
10172229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小安 重夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90153684)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | T細胞 / 温度感受性変異 / SH2ドメイン / TCRζ / シグナル伝達 |
Research Abstract |
T細胞受容体(TCR)を介したシグナルには、TCRζサブユニットのリン酸化とそれに結合するチロシンキナーゼZAP70が重要な役割を果たす。ZAP70はCD8欠損症の責任遺伝子であるが、本年度我々はCD8欠損症の患者の解析をする機会があり、この患者のZAP70遺伝子がヒトの疾患では珍しい温度感受性変異を持つことを見いだした。2つのZAP70遺伝子座は共にミスセンス変異を持ち、その結果、低温では安定であるが、常温では合成直後に速やかに分解する。我々が見いだしたミスセンス変異は、1個所が2つのSH2ドメインの間のプロリンがグルタミンに置換された変異(P80Q)であり、もう1個所はキナーゼドメインの中のXIドメインと呼ばれる部位のメチオニンがロイシンに置換された変異(M572L)であった。温度感受性を決定する要因を解析するために、in vitro合成系を用いてタンパク質を合成した後にさまざまな温度でその安定性を検討した。M572L変異体の場合にはそのキナーゼ活性も測定した。すると、M572L変異体は30度Cにおいては比較的安定に合成されたが、その酵素活性が低下していた。一方P80Q変異体の場合はこの変異が2つのSH2ドメインの間にあることから、温度の違いによって、リン酸化されたζサブユニットへの結合活性に差が見られる可能性が考えられた。そこで、ζサブユニットの最も膜近傍のアミノ酸配列を持つ合成リン酸化ペプチドを用い、さまざまな温度における結合活性を測定した。その結果、P80Q変異体は一旦30度Cで合成された後は37度Cに温度を上昇しても結合能を失わないことが明らかになった。従って、P80Q変異体の場合には、タンパク合成の過程、特に折り畳み過程が温度感受性であると考えられた。現在、ZAP70の折畳みにかかわるシャペロン蛋白質の解析を進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)