ミクロゾーム型アルデヒド脱水素酵素の小胞体膜挿入機構
Project/Area Number |
10172233
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
柾木 龍一 関西医科大学, 医学部, 講師 (70140283)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | C-末端アンカー型膜蛋白質 / HPC-1 / msACOH / 小胞体膜挿入 |
Research Abstract |
今年度は細胞膜に局在するC-末端アンカー型膜蛋白質であるHPC-1/syntaxin lA(HPC-1)と小胞体に局在するC-末端アンカー型膜蛋白質であるミクロゾーム型アルデヒド脱水素酵素(msALDH)の局在化機構を調べた。 まず、HPC-1についてはCOS細胞発現系を用いて解析した。野生型HPC-1はCOS細胞のゴルジ装置および細胞膜に局在し、C-末端疎水性領域を欠失した変異体は細胞質に留まることから、C-末端疎水性領域がHPC-1の膜挿入部位であることが確認された。HPC-1のC-末端側に糖鎖付加部位を融合したキメラには糖鎖が付加され、野生型同様ゴルジ装置および細胞膜に局在した。これらの結果より、HPC-1は小胞体膜にC-末端疎水性領域が挿入された後、ゴルジ装置を経由して細胞膜に移行することが示された。また、大腸菌マルトース結合蛋白質との種々のキメラを作製し、それらのCOS細胞内局在を調べた実験からHPC-1の疎水性領域を含むC-末端24アミノ酸残基が小胞体移行に必要であることがわかった。 msALDHについては緑色蛍光蛋白質(GFP)とmsALDHのC-末端35アミノ酸残基(膜貫通領域と小胞体移行配列を含む)のキメラ(GFPALDH(35))の組み換え蛋白質を調製した。野生型とキメラ蛋白質とそれらをCOS細胞にマイクロインジェクションしたところ、インジェクション直後細胞質に分布していたキメラは6時間後(37℃条件下)に小胞体に移行した。これに対してGFPは細胞質に留まったままであった。GFPALDH(35)の小胞体移行は37℃条件下では1時間以内に起こったが、マイクロインジェクション後細胞を4℃に置くとGFPALDH(35)の小胞体移行は観察されず、この反応は温度依存性であることがわかった。ATP-γSとGTP-γSはGFPALDH(35)の小胞体移行を阻害した。これらの結果より、GFPALDH(35)の小胞体移行反応はエネルギー依存性であることおよびGTP結合蛋白質が関与することが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
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