おとり型核酸化合物(デコイ)を用いた転写因子の生物作用の個体での解析
Project/Area Number |
10173219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森下 竜一 大阪大学, 医学部, 助教授 (40291439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守口 篤 大阪大学, 医学部, 助手 (10273666)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | デコイ / NFkB / E2F / 転写因子 / アポトーシス / p53 |
Research Abstract |
転写因子を生体で直接制御し、内因性の遺伝子発現を抑制しうるおとり型核酸化合物(デコイ)を用いて、1)転写因子NFkBの生物作用、及び、2)血管新生に関連する転写因子の生物作用、を解明した。内皮細胞における転写因子NFkBの生物作用解明を行い、1)NFkBの内皮細胞における標的遺伝子がサイトカイン(インターロイキン1・6・8)や接着因子(ICAM-VCAM-ELAM)であること、2)リンパ球系の細胞と異なり、内皮細胞ではNFkBがアポトーシスを促進していること、3)NFkB活性化による内皮アポトーシス誘導はアポトーシス抑制因子bcl-2の発現抑制によること、を明らかにした。今後、デコイ法とレポーターアッセイを用いてNFkBによるbcl-2遺伝子の負の発現調節機構を明らかにし、co-repressorを調べる。また、心筋及び神経細胞などのアポトーシスに対し感受性の高い細胞を用いて虚血による細胞死におけるNFkBの生物作用を明らかにすると共に、成熟個体での作用も検討する。 一方、がん抑制遺伝子p53の転写因子としての機能に注目し、血管平滑筋細胞における遺伝子発現制御に関する研究を行った。正常血管へのp53に対するアンチセンスの導入は、2及び4週間にバルーン障害後の再狭窄と類似した平滑筋細胞の異常増殖番引き起こした。平滑筋細胞の異常増殖は、主に細胞周期の進展とアポトーシスの減少によるものであった。一方、血管新生因子VEGF遺伝子発現におけるp53の転写機能を解析した結果、p53が平滑筋細胞におけるVEGF遺伝子発現を負に調節していることが、培養細胞及び生体において明らかになった。血管新生における転写因子の相互作用や生物作用は解明されていないので、転写因子HIF(Hypoxia-inducible factorの標的遺伝子や生体における役割を明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)