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¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
私はこれまでに、バリアブルアームの長いtRNA(class II tRNA)のtRNA identityに着目して研究を行ってきた。その結果、真性細菌である大腸菌(tRNA^<Ser>,tRNA^<Leu>,tRNA^<Tyr>の3種類がclass II tRNA)と真核生物である酵母(tRNA^<Ser>,tRNA^<Leu>の列重類がClass II tRNA)で、全く異なった様式の認識識別の戦略をとっていることが明らかになった。大腸菌では、塩基特異的な認識というよりもむしろ立体構造の違いがアミノ酸受容特異性の決定に中心的な働きをしているという、従来考えられていなかったタイプの認識識別の機構が存在していた。一方、酵母では通常のtRNAに広く見られるような塩基特異的な認識が中心であった。この違いはtRNA^<Tyr>のバリアブルアームの長さの違いによるclass II tRNAを構成するtRNAの数と種類の違いに起因しているものと考えられた。本年度は、大腸菌と酵母との間でヘテロな組み合わせでアミノアシル化の実験を行った。大腸菌のSerRSとLeuRSはどちらも酵母のtRNAを認識することはできなかった。一方、酵母のSerRSとLeuRSはどちらも大腸菌のtRNAを認識することができた。その際、酵母の酵素は自分に対応しないtRNAをも認識してしまった。このように、基質認識の甘さに大腸菌と酵母の酵素の間で決定的な違いが見られたが、このこともまた、class II tRNAを構成するtRNAの数と種類の違いが大きく関係しているものと考えられた。 現在、他の生物界、古細菌(tRNASer,tRNALeuの2種類がClass II tRNA)と酵母ミトコンドリア(tRNA^<Ser>,tRNA^<Leu>,tRNA^<Tyr>の3種類がclass II tRNA)に着目して研究を進めている。
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