複数金属イオンを用いたRNA加水分解触媒の構築とリボザイムの作用機構の解明
Project/Area Number |
10174207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小宮山 真 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50133096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須磨岡 淳 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (10280934)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | リボザイム / RNA / 亜鉛錯体 / 加水分解 / ヌクレアーゼ |
Research Abstract |
リボザイムの触媒作用発現には金属イオン,特に2個のMg(II)が必須であることが明らかとなっているが,その作用機構は十分に解明されていない。申請者らはこれまでに、RNA加水分解反応に対する金属イオンおよび錯体の触媒作用を検討してきた。その結果、ある種のZn(II)錯体では、複核金属錯体が対応する単核錯体に比べ著しい協同効果を発現することを報告してきた。本研究では、このZn(II)複核錯体にターゲットRNAの塩基配列認識部位を導入し、人工リボザイムの構築を行った。この人工酵素を用いることにより、狙った位置で塩基配列特異的にRNAの加水分解を実現することに成功した。また、この人工酵素によるRNA切断は、遊離のZn(II)イオンが系内に多量に存在しても、保存されることが示された。すなわち、天然のリボザイムと同様、2個の金属イオンが配位子によりターゲットRNA近傍に固定化されて協同的に作用することではじめて、RNA切断活性を生ずることが明らかとなった。さらに、天然に存在する異種の金属イオンを持つフォスファターゼの活性中心を模倣し、異核金属錯体を合成し、これを用いてRNA加水分解を試みた。その結果、Fe(III)/Zn(II)系の異核錯体がRNAを迅速に加水分解することを見出した(Fe(III)の複核錯体、Zn(II)の複核錯体ならびに対応する単核錯体はほとんど加水分解能を持たない)。これは、異核錯体によるRNA加水分解の初めての例である。今後、これらの結果を更に発展させ,金属イオンおよび錯体によるRNA加水分解機構を解明することにより,リボザイムにおける金属イオンの役割を分子レベルで明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)