アフリカツメガエル卵母細胞における翻訳抑制の分子機構
Project/Area Number |
10174229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
松本 健 理化学研究所, 細胞生化学研究室, 研究員 (60222311)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 翻訳 / RNA結合蛋白質 / アフリカツメガエル卵母細胞 |
Research Abstract |
これまでに我々は、アフリカツメガエル卵母細胞では、遺伝子の中のイントロンの有無やイントロンの位置によって、そこから作られるmlRNAの翻訳活性(RNA量あたりの蛋白質合成量)に大きな差が見られることをみいだした。そこで、スプライシングによる翻訳活性の調節が体細胞でも観察されるかどうかを調べるために、発現ベクターを培養細胞にトランスフェクションした。その結果、卵母細胞の場合とは異なり、イントロンを含まないベクターではイントロンを含むベクターに比べてmRNAの蓄積量が少なく、蛋白合成はmRNAの蓄積量にほぼ依存していた。スプライシングを阻害するようなスプライシング部位の点変異体を用いた場合にも、その変異によってmRNA蓄積の減少がみられた。つまり今回用いた培養細胞で見るかぎり、スプライシングの有無はmRNAの安定性に寄与していると考えられる。この結果は、アフリカツメガエル卵母細胞では、mRNAを細胞質に蓄積する機構が、異常なRNAを不安定化する機構よりも優先的に働いている可能性を示唆するのではないかと考えられる。 卵母細胞からオリゴdTセルロースを用いてmRNAに結合する蛋白質の単離を試みた。溶出画分に豊富に含まれる蛋白質のcDNAクローニングを行ったところ、グリシンに富む領域をもつRNA結合蛋白質であった。抗体を作製してウエスタンブロッティングを行った結果、この蛋白質は卵母細胞では主として細胞質に存在することがわかった。カエルでの組織分布を見ると、卵巣のほか、精巣と脳に多量に存在し、肝臓と腎臓にも検出された。この蛋白質の組換体を大腸菌で作製したところ、N末のRNA結合ドメインのほか、C末側のglycine-rich領域にもRNA結合活性が見いだされた。今後、この蛋白質の機能解析を進める予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)