白血病の原因となる融合遺伝子mRNAを標的とするリボザイムの設計
Project/Area Number |
10174230
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Research Institute for Clinical Oncology, Saitama Cancer Center |
Principal Investigator |
神津 知子 埼玉県立がんセンター, 研究所, 主任研究員 (60161874)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福山 朋房 埼玉県立がんセンター, 研究所, 研究員 (10300906)
末岡 榮三朗 埼玉県立がんセンター, 研究所, 研究員 (00270603)
|
Project Period (FY) |
1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
|
Keywords | リボザイム / 白血病 / 融合遺伝子 / アンチセンス / RNase H / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
私共は、t(8;21)転座型白血病融合遺伝子AML1-MTG8をモデルとして、融合mRNAのみを選択的に切断するリボザイムを設計している。融合点近傍を標的とするDNA/RNAキメラハンマヘッドリボザイムを作製し、これまでに1) 各々のリボザイムでは触媒効率が大きく異なること、2) t(8;21)転座型白血病細胞株SKNO-1に対して増殖抑制効果を示すこと、3) SKNO-1細胞の分離核を用いてこれらのリボザイムの内在性AML1-MTG8mRNA切断のメカニズムを解析した結果、アンチセンス効果を持つこと、4) AML1-MTG8mRNAの融合領域は核内で露出しており、アンチセンス/リボザイムの格好のターゲットである、等を見い出した。本研究では、分離核を用いてさらにアンチセンス効果とリボザイム触媒活性を検討した。SH阻害剤によって内在性RNase Hを抑えると、DNA/RNAリボザイムのアンチセンス効果はなくなり、リボザイム触媒活性による切断が検出された。All-RNAリボザイムでもAML1-MTG8mRNAの特異的な切断が検出した。従って、リボザイムは核環境内でアンチセンス効果よりは弱いが、確かに触媒活性を示すことが明かとなった。DNA/RNAリボザイムやアンチセンスオリゴヌクレオチドの細胞増殖抑制効果は、強力ではあるがリバーシブルであるため、連続投与が必要である。そのため、リボザイムを細胞内で継続的にかつ効率よく発現させる系が有効である。そこで、CMVプロモーターによるリボザイム発現ベクターを作製し、SKNO-1細胞で一過性に発現させると、AML1-MTG8mRNAの減少が見られた。現在より強いリボザイム発現ベクターを開発中である。これらの結果より、融合遺伝子の発現を抑えるリボザイムによる白血病遺伝子治療が可能であることが示唆され、今後の発展が期待できる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)