ミオシン頭部の構造変化を利用したATPase反応の定量的蛍光イメージング
Project/Area Number |
10175201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
平塚 寿章 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (30041825)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | モータータンパク質 / ミオシン / ATPase / 蛍光イメージング |
Research Abstract |
ミオシンをはじめとするモータータンパク質の研究では、エネルギー源であるATPを加水分解する生物活性(ATPase活性)の測定が不可欠である。現在広く行われているミオシンATPaseの活性測定方法では、反応を止めてから生成物の無機リン酸を定量しなければならないので、ATPase反応の進行をリアルタイムに追跡できない。本研究計画では可視域の蛍光を出す非共有結合性色素に的を絞り、将来的には蛍光顕微鏡下でのATPase反応のリアルタイム観察も可能となる方法について検討した。 ミオシン頭部(S-1)にはいくつかの疎水性ポケットがあり、ATPase反応に伴ってこれらのポケットが構造変化を受けることが知られている。そこで500〜600nmの蛍光を出す20種類の蛍光色素に的を絞り、この中から目的に合うものを検索した。その結果、細胞の染色色素として使われているナイルレッド(NR)が目的に適していることがわかった。NRは540nmで励起すると660nmに蛍光を出す。さらにS-1に結合すると蛍光極大は620nmヘシフトした。NR存在下のS-1にATPを添加すると、620nmの蛍光強度は元の85%に減少した。しかしATPが加水分解されてADPになると、12%の蛍光強度の増大が見られた。従ってS-1に結合しているNRの出す蛍光の強度変化を測定すると、ATPが加水分解されてADPになるのをリアルタイムで観察できることがわかった。 NRはタンパク質などにほとんどダメージを与えない領域に蛍光を出す。さらに蛍光変化の測定条件を工夫すれば感度を上げることも可能なので、このNR法は将来的には蛍光顕微鏡下でのATPase反応の定量的イメージングにも応用可能であることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)