Project/Area Number |
10175214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤目 杉江 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60022662)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 車軸藻 / 滑り運動速度 / ミオシンATPase / ミオシンファミリー / クローニング / レバーアームモデル / 化学-力学エネルギー変換 |
Research Abstract |
滑り運動の速度は、アクトミオシンATPase活性に基づくと一般に考えられている。しかし、このATP分解エネルギーが全て運動エネルギーに変換されるわけではない。ミオシン自身のbasicなATP分解の過程でそのエネルギーを反応中間体として分子内に蓄える。そのエネルギー保持能力が高いほど運動エネルギーへの変換効率が高く、速く滑るという重要なメカニズムを、最近我々は明らかにし報告した。 車軸藻ミオシンは骨格筋ミオシンの10倍の速さでアクチン線維を滑らせる。車軸藻ミオシンの首の長さは10倍長くはない。我々が測定した限りアクチン活性化ミオシンATPase活性も骨格筋ミオシンのそれとほぼ同程度である。では、レバーアームモデルで10倍の速さの違いをどう説明することが出来るのか。1回のATP分解サイクルで、ミオシンが結合してアクチン線維を動かす時間が短く1/10であると考える。とすれば、アクチン線維を連続的に走らせるに必要なミオシン分子の数が、10倍速い車軸藻ミオシンでは10倍多く必要になる。しかし、我々は昨秋、車軸藻ミオシンの方が骨格筋ミオシンよりむしろ少ない分子数で連続的な滑り運動が起こせるという結果を得て学会報告した。 1回のATP分解でミオシン分子内ため込んだエネルギーを使って何度もステップを踏んで滑ると説明した。その様なルーズな相互作用の仕方が一体あるのであろうか。だが、実際、骨格筋ミオシン頭部1分子を用いてこの事が実測され喜多村等により報告がなされたところである。我々の考えは正しかったようだ。車軸藻ミオシンは骨格筋ミオシンより更に多くのステップを踏むのであろう。この様に特異的な機能を有する車軸藻ミオシンの分子構造への強烈な好奇心から、その全長シーケンスへ向けてライブラリー作りからクローニングをやり直している。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)