カルシウム依存的な神経細胞死抑制に関わる遺伝子群の検索とその発現制御系の解析
Project/Area Number |
10176209
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
津田 正明 富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (80132736)
|
Project Period (FY) |
1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Keywords | アポトーシス / カルシウム / 小脳顆粒細胞 / BDNF / 遺伝子発現 / ミトコンドリア |
Research Abstract |
本年度は、カルシウム(Ca^<2+>)シグナルに応答して神経細胞死抑制に関わる遺伝子群の検索と、これら遺伝子の転写制御機構解析系の確立を目指した。さらに、遺伝子発現とミトコンドリア代謝との関連を検討した。 1. 神経細胞死抑制因子の検索: 脳由来神経栄養因子(BDNF)やセクレトグラニン-ll(Sg-ll)遺伝子の他に、PACAP(Pituitary adenylate cyclase activating polypeptide)遺伝子がCa^<2+>シグナルに応答して活性化を受けることを認めた。新たなスプライシングバリアントの存在を明らかにした。また、プロセッシング産物であるPACAP38にも、強い神経細胞死抑制効果のあることが明らかとなった。 2. 転写抑制機構解析系の確立: Ca^<2+>シグナルに応答する遺伝子群の転写制御機構を解析するために、ラット大脳皮質ニューロンの初代培養系で、リン酸カルシウムを用いた簡便なDNAトランスフェクション法を確立した。現在、BDNF遺伝子や他の遺伝子のプロモーター解析を行っている。 3. Ca^<2+>欠如とミトコンドリア: 小脳顆粒細胞はCa^<2+>が細胞内に入らなくなると、アポトーシスを起こす。この時、TCAサイクル酵素でレドックス感受性酵素であるアコニターゼ活性の不活性化が認められた。これは、酸化ストレスがミトコンドリ内に発生したことを示し、Mn依存型スーパーオキシドジスムターゼ(Mn-SOD)の発現が低下したことに依ることが示唆された。このように、核内遺伝子発現の変化が、特にMn-SODの発現変化を介してミトコンドリアの代謝活性に影響を与えている可能性がある。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)