Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Research Abstract |
脊髄前角運動神経細胞には神経栄養因子作用を有するGDNF(glial cell line dcrived neurotrophic factor)の受容体であるRetチロシンキナーゼが発現している。脊髄前角運動神経細胞が変性する筋萎縮性側索硬化症の一部に常染色体優性遺伝形式をとる家族性筋萎縮性側索硬化症(FALS)があり、一部の患者においてCu/Zn-SOD遺伝子のgerm-line-mutationが見つかっている。現在、神経細胞内にてNOから生成されたperoxynitrite(酸化ストレス作用を有する)と変異Cu/Zn-SOD蛋白との反応性が高まり、神経細胞の生存に重要な蛋白質のチロシン残基等をニトロ化することが想定されている。今回、酸化ストレス及び変異Cu/Zn-SOD蛋白がRet蛋白にどのような影響を及ぼすかについて検討を試みた。 1、 FALS型変異(Ala4Val,Cys6Phe,His43Arg,His46Arg,His48Gln,Asp90Ala,Gly93Ala,Glu100Gly,Asp101Gly,Ile104Phe,Leu106Valの計11種類)を有するCu/Zn-SOD cDNAを活性型Ret蛋白と共に線維芽細胞に強制発現させた。ウエスタンブロットを行うと、正常なCu/Zn-SOD蛋白とほぼ同じ高さ(約21kDa)にバンドが出るのがA4V,C6F,H43R,H46R,H48Q,G93A,L106Vの計7種類、正常よりも低い高さにバンドが出るのはD90A,E100G,D101G(約18kDa),I104F(約20kDa)の計4種類であり、蛋白の大きさとしてバラツキがあるものの、正常Cu/Zn-SOD蛋白と同じ程度に安定に発現する。 2、 内因性の酸化ストレスであるperoxynitriteを作用させると、Ret蛋白のin vivo及びin vitroでのチロシンリン酸化が数倍に亢進した。現在、その作用機序について検討中である。
|