Project/Area Number |
10176240
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
仙波 りつ子 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, 室長 (80100163)
|
Project Period (FY) |
1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | ニューロトロフィン-3 / 小脳 / 顆粒細胞 / 細胞分裂 / アポトーシス |
Research Abstract |
ニューロトロフィンの脳における機能は、最新の技術を駆使しても明らかでないのが現状である。本年度は、ニューロトロフィン-3(NT-3)抗体を生後7.5日齢のラット側脳室に投与することにより、小脳におけるNT-3の機能解明を試みた。NT-3抗体投与後の小脳の湿重量を生後14.5日齢と30日齢で調べると、いづれの日齢でも抗体投与群でわずかに低かった(約15mg)。この結果はNT-3含量の低下により、小脳に器質的変化が起きていることを示している。小脳の顆粒細胞は、生後早い時期に外顆粒層で分裂し内顆粒層へ移動し、生後20日齢までにはすべての顆粒細胞が移動を終わる。したがって、小脳の湿重量の低下は、小脳の外顆粒細胞の分裂阻害か、内顆粒細胞の死によって起こる可能性が考えられた。そこで、この2点について検索したところ、抗体投与群では、外顆粒細胞へのブロモデオキシウリジンの取込みが阻害され、萎縮した顆粒細胞の数が増加することが明らかとなった。さらに、アポトーシスをおこした内顆細胞数も増加していた。これらの所見は、小葉VからVIIIでおもに観察されたが、小葉VIでもっとも顕著であり、生後30日齢の小葉VIの内顆粒層の形成の遅れが観察された。小脳のNT-3濃度は後葉で高く、NT-3の欠損によって変化の生じる小葉と一致していた。これらの結果から、NT-3が外顆粒層の顆粒細胞の分裂を制御していること、および内顆粒層の顆粒細胞の生存維持に関与していることが明らかとなった。
|