Project/Area Number |
10177210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
曽我部 正博 名古屋大学, 医学部, 教授 (10093428)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 伸展刺激 / リモデリング / 接着斑 / 細胞内Ca^<2+> / cAMP |
Research Abstract |
血管内皮細胞は紡錘形を呈し、血管走行に対してその長軸を平行に配列している。この形態や配列には内皮細胞の血管壁からの剥離を防ぐという大切な意義がある。血管内皮の傷害や剥離は動脈硬化を導く一因なので、内皮細胞の形態配列応答の分子機構の解明は基礎医学のみならず、臨床医学にとっても重要な課題である。この形態と配列は血管の周期的伸展刺激で生じることが分かっている。本研究の最終目的は、培養内皮細胞を用いて伸展刺激による形態配列応答の分子機構を解明することにある。我々はこれまでに、{伸展刺激→SAチャネル活性化→細胞内Ca上昇→カルシニューリン活性化→srcの脱燐酸化とその活性化→接着斑蛋白質チロシン燐酸化→接着斑と細胞骨格の再編成→形態応答}という細胞内シグナルカスケードの存在を明らかにしてきた。今回はCa^<2+>、cAMP、細胞骨格、接着斑蛋白質等の動態を調べ、細胞形態の極性(伸展軸に対して垂直に配列する性質)の起源を探った。その結果、1)伸展刺激による細胞内のCa^<2+>上昇は細胞内での分布はほぼ均一であり、2)cAMP時間依存的に上昇するが、形態応答には直接関与せず、3)形態応答に先行してアクチン線維の配向生じることなどが分かった。 アクチン線維の形成は、接着斑及びそのCa^<2+>依存的チロシン燐酸化に依存すること、また伸展刺激はまずインテグリンに負荷されることを考慮すると、インテグリンがもう一つの機械受容体として作動して、インテグリンから細胞骨格へと向かうoutside-inのシグナル伝達機構がアクチンの方向性のある形態応答を生み出すのではないかと考えられる。以上のことから伸展依存性のリモデリングは、<SAチャネル→細胞内Ca^<2+>上昇→接着斑蛋白質のチロシン燐酸化>と流れる信号経路に加えて<インテグリン→接着斑蛋白質→細胞骨格>と続く信号経路が、接着斑上でクロストークして生じるのではないかと考えられた。
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