動脈硬化の発症病態に関わるHSPG・Ryudocanの機能解析
Project/Area Number |
10177211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小嶋 哲人 名古屋大学, 医学部, 助手 (40161913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都築 忍 名古屋大学, 医学部, 医員
門松 健治 名古屋大学, 医学部, 助教授 (80204519)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 血管内皮細胞 / Ryudocan / ヘパラン硫酸プロテオグリカン / ノックアウトマウス / 心筋梗塞 / 組織修復 |
Research Abstract |
我々は、血管内皮ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG:Ryudocan)のもつ組織修復、動脈硬化における機能解析を行なう目的に遺伝子組換え操作を用いたRyudocanノックアウトマウスの作製とともに、血管傷害マーカーとしてのRyudocan血中濃度測定法の開発を検討した。 マウスRyudocan geneの第2エクソンをターゲットにポジティブ・ネガティブセレクション用ターゲティングベクターを作製し、エレクトロポレーションにてES細胞(D3細胞)に導入、G-418入りES培地にて選択培養してサザン解析にて相同組換え体を単離・同定した。この相同組換え体をC57BL/6Jマウスの胚盤胞に注入して仮親の子宮に移植し、生まれたキメラマウスをC57BL/6Jマウスと交配した。PCRおよびサザン解析にて変異アレルの伝搬を調べへテロ変異マウスの雄雌を交配した結果、ホモ体が約1/4に生まれ、Ryudocanの欠失が発生ならびに生殖能には大きな異常を及ぼさないことが明らかとなった。これは、Ryudocanの欠失が他のHSPG発現等により機能的代償を受けている可能性を示唆するが、今後さらに詳細な表現型解析が必要と思われた。 一方、抗Ryudocan特異抗体を用いたRyudocan測定法開発したところ、MBP-Ryudを標準物質にして5.0〜0.078ng/mlの濃度で測定可能で、正常人の血漿中濃度は測定感度以下であった。本法を用いて急性心筋梗塞発症患者の血漿中のRyudocan濃度を経時的に測定したところ、全例において心筋梗塞発症後2〜3週間目に最高値を示した。この時期は心筋梗塞後の組織修復期であり、Ryudocanが血管新生、線維芽細胞増殖などにより組織修復に関わっていることが示唆された。今後、動脈硬化などの血管傷害患者でのRyudocan 血中レベルを検討して行く予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)