Project/Area Number |
10177218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西田 亙 大阪大学, 医学部, 助手 (80271089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 謙一郎 大阪大学, 医学部, 助手 (90238105)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 平滑筋細胞 / 形質転換 / 動脈硬化 / シグナル伝達 / MAPK / 転写因子 / SRF / ホメオドメイン蛋白質 |
Research Abstract |
平滑筋細胞が外界刺激に応じて分化型から脱分化型へ形質転換する能力を兼ね備えている背景には、平滑筋細胞独特の転写調節機構が存在するためと考えられる。我々はCArG/SRF相互作用に平滑筋組織特異性を付与する他の因子が存在すると考え、平滑筋細胞で特異的に発現するホメオドメイン転写因子の検索を行った。この結果クローニングされたbagpipeは食道・砂嚢・下部消化管・血管平滑筋組織で特異的な発現を示した。bagpipeを初代培養平滑筋細胞もしくは10T1/2線維芽細胞で強制発現するとα1-Integrin,SM22のプロモーター活性は顕著に上昇した。またbagpipe,SRFおよび平滑筋組織で比較的豊富に発現しているGATA-6を同時に発現させると両遺伝子のプロモーター活性はさらに上昇することを確認した。分化型平滑筋細胞では、少なくともSRF,GATAファミリー,ホメオボックス遺伝子の3者による協調的な転写制御が行われていると考えられる。一方、我々は脱分化型平滑筋細胞における転写調節機構についても解析を行った。興味深いことに上記の転写因子群の中で、平滑筋細胞の形質転換過程において最も大きな変化を示したものはホメオボックス遺伝子であった。脱分化状態ではMsx-1が豊富に発現しており、bagpipeにより上昇したα1-Integrinのプロモーター活性は、MSx-1の共発現により用量依存性に減少した。 さらに、我々は平滑筋細胞の形質転換における細胞内情報伝達系の変化をMAPKおよびPI3 kinaseを中心に詳細に検討した。この結果、平滑筋細胞の分化状態の維持にはIGF-1を介したPI3-K,PKB/Actの活性化が必須であり、脱分化にはMAPKが関与していることを明らかにした。中でもERKおよびp38MAPKを同時に抑制することで、たとえPDGF存在下であっても平滑筋細胞は分化状態を維持できることを見いだした。逆にMEK1およびMKK6の恒常的活性化型を分化型平滑筋細胞に強制発現させると、IGF-I存在下であっても平滑筋細胞は脱分化を起こした。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)