血管障害における細胞接着分子セレクチンとリガンド糖鎖の関与についての研究
Project/Area Number |
10177234
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
神奈木 玲児 愛知県がんセンター, 病理学第二部, 部長 (80161389)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | セレクチン / ホーミング / スルホトランスフェラーゼ / フコシルトランスフェラーゼ / シリアルLe^X / 血管内皮細胞 / トランスフェクション |
Research Abstract |
動脈硬化性病変の発生に、セレクチンと糖鎖を介する細胞接着が関与することが示唆されている。我々は昨年、ヒトリンパ節高血管内皮細静脈HEV血管内皮細胞上のL-セレクチンリガンドが、6-スルホシアリルルイスxであることを、特異抗体の作成を通じて証明した。6-スルホシアリルルイスx糖鎖は、その構造から見て、フコシルトランスフエラーゼとスルホトランスフェラーゼによって合成されると考えられる。そこで今回、この両酵素の遺伝子をリガンド活性のない培養血管内皮細胞株に導入して、L-セレクチンリガンドの再構成を試みた。すなわち、以前YT細胞から得られたフコシルトランスフェラーゼVII(Fuc-TVII)と今回新たにクローニングされたGlcNAcβ:6-スルホトランスフェラーゼ(6-Sul-T)を、ヒトHUVEC由来のヒト血管内皮細胞株ECV304に単独または二重に導入して、フローサイトメトリーと細胞接着実験にてシアリル6-スルホルイスxの発現とL-セレクチン陽性細胞の接着能を検索した。フローサイトメトリーの結果、ECV304細胞の糖転移酵素トランスフェクタントのうち、シアリルルイスxは、Fuc-TVII強制発現クローンおよびFuc-TVII・6-Sul-Tの二重強制発現細胞に検出された。シアリル6-スルホラクトサミンは、6-Sul-T強制発現細胞およびFuc-TVII・6-Sml-Tの二重強制発現細胞に検出されたシアリル6-スルホルイスxは、Fuc-TVII・6-Sul-Tの二重強制発現細胞にのみ検出された。細胞接着実験の結果、L-セレクチン発現細胞は、この4種の細胞のうち、Fuc-TVII・6-Sul-Tの二重強制発現細胞にのみ接着した。この接着は、抗L-セレクチン抗体で完全に阻害され、抗シアリル6-スルホルイスx抗体で強く阻害された。これにより、リンパ節の高血管内皮細胞に発現されるL-セレクチンリガンド糖鎖6-スルホシアリルルイスxは、フコシルトランスフェラーゼ(Fuc一TVII)と6-スルホトランスフエラーゼ(6-Sul-T)を二重にトランスフェクトすることによって再構成できることが証明された。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)