ガラクトース転移酵素遺伝子ノックアウトマウスを用いた糖鎖機能の解析
Project/Area Number |
10178201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅野 雅秀 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50251450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩倉 洋一郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10089120)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ノックアウトマウス / ガラクトース転移酵素 / セレクチン / 成長遅延 |
Research Abstract |
GalT-IKOマウスは129とC57BL/6の交雑系では、正常に生まれてくるものの生後に成長遅延を示し、離乳前に約半数が死亡することをすでに報告したが、このマウスをC57BL/6の背景にすると胎生後期から成長が遅れ、出生時にすべて死亡することが明らかとなった。胎児や新生児の組織を調べたところ、全体に成長が遅れており、特に出生時にうまく肺呼吸に移行できないことが死亡原因と考えられた。胎生後期の発達に重要なIGF-I,IGF-IIやEGFなどの成長因子に対する応答性を調べてみたが、GalT-IKOマウスに特に異常は見いだせなかった。遺伝的背景によってKOマウスの表現型が変化することはいくつかの遺伝子ですでに報告があるが、GalTの場合は最近新たに5つのGalT遺伝子が発見されたので、他のGalTが相補する程度がマウスの系統によって異なる可能性が示唆された。他のGalT遺伝子の発現を調べて、GaIT-I遺伝子の機能を相補しているGalT遺伝子の同定とそのKOマウスの作製も進めている。 交雑系のGalT-IKOマウスのうち離乳できたものは、その後は成長は正常に進むが、数カ月以内に腎孟腎炎を多発して死亡する。血中の白血球数が増加しており、肝臓や脾臓に髄外造血が見られることから、免疫系の異常による日和見感染の可能性が考えられた。GalTが合成に関与するシアリルLe^xは感染や炎症の際の白血球の接着に重要なセレクチンのリガンド糖鎖なので、このマウスではセレクチンのリガンド糖鎖に異常があって、感染に非常に弱い可能性が考えられる。特にL-セレクチンのリガンド糖鎖が腎盂で非常に強く発現していたので、現在その可能性を解析しているところである。
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Report
(1 results)
Research Products
(14 results)